フランスでの不法占拠。違法キャンプ問題

フランス現地情報

ヨーロッパの観光地でスリをしていたり、バレバレだけれどもアンケートを装いながら貴重品を盗もうとするロマの人。

ロマの人は、物乞いやスリ・窃盗の他にも、不法占拠・不法投棄などの迷惑行為で近隣住民とのトラブルが絶えず現地では嫌われている存在なのですが、ロマ人の不法占拠問題とロマ人の生まれた環境もみてみましょう。

ロマ人の不法占拠問題

La Courneuve : le plus vieux camp de Roms d'Ile-de-France vit ses dernières heures
(かつてイルドフランスに存在したロマの最大住居地区の様子。ここはまだ綺麗だと思う。子供達も地域の学校に行っていたり、撤去が非常に困難となる事も)

ロマ人が厄介だと言われている理由は、キャンプできそうな土地があればどこでも住み着いてしまうし、グループで大勢やってくる事。

なので一人が入り込めば続々と人がやってきて、「アッ!」という間にキャンピングカーやトタン屋根の家が連なる集落を作ってしまうのです。

その集落はゴミ捨て放題で汚くなるし、騒音や火をつけて燃やすなどの迷惑行為も多々発生。

その上、大量の廃棄物を置き去っていくので、自治体や土地の所有者と大揉めする事が頻繁に起こります。

なぜなら、粗大ごみや電化製品を集めては解体。金属やバッテリーなど売れる部品を売りさばき、不必要な部品を不法投棄していくので、最終的に占拠した場所を巨大なゴミ敷地にしてしまうからなんです。

彼らが去った後、廃棄物を撤去する費用や修繕費が莫大にかかり土地の所有者が大きな負担を抱えてしまう事が問題視されています。


約200人のロマ人が3か月間不法占拠、残した廃棄物は600m3相当になった例。
撤去費用と修繕費用に45000ユーロ(約570万円)かかった(2016年・Annet-sur-Marneにて)

フランスでロマ人が不法占拠している意外な場所

フランスではサルコジ政権時のロマ人強制送還にもあったように、違法キャンプをしているロマ人の強制退去を度々行っているので、その様子がテレビで放送されます。

テレビで映し出される場所をみていると、大規模キャンプ地の場合が多いので、街の死角になっているスペースや、森の中、空き地など所有者がいないような(もしくは自治体が管理している)場所を占領しているのかな…と思いますが、

個人宅、会社所有の土地や駐車場などを狙っている時もあります…

人が住んでなさそうな家

隣人との距離が遠い、

道路の入り口から家が見えづらい(木が家周辺を囲っているなど)、

車が停まっていない、

など、こういった特徴を持つ田舎の古い家、明らかに人が住んでなさそうな家など、いつの間にか不法侵入されていてロマ人が散らかしまくっているケースもあります。

入り口の門を閉めていても、こじ開けて入ってきてしまう非常に悪質なグループもいます。


ムール貝でお世話になった方のお宅もロマ人が侵入してきた事がある。

実際に被害に遭いそうになったお宅

田舎にセカンドハウスを持っている人は、泥棒と不法滞在者の両方に警戒しています。

上の写真のお宅は、たまたま義理の妹さんが家の中に残っていて、それに気づいたロマ人は逃げて行ったそうなんですが、

もし誰もいなければ、夏の間しか使っていない家なので、確実に占領されていたとおっしゃってました。

休業した店舗・ホテル・レストランなどの駐車場

倒産した会社・休業してしまったレストラン・ホテルなどの駐車場など、誰も使っていないと分かると直ぐに何十台ものキャンピングカーでやってきて占領する事も多々あります。

私が今までで見た中で一番衝撃だったのは、休業してしまったピザハットの駐車場にキャンピングカーがぎっしりと停まっているのを見た時です。

▼該当店舗のピザハット。このピザハットの駐車場にキャンピングカーがぎっしりと埋まっていた。(車を運転中だったので残念ながら写真が無い…)

写真はグーグルマップより。

道の反対側にはオーシャンという大型スーパーもあるし、車の往来が激しい場所ですが、店舗が営業していないと分かるとぞろぞろとキャンピングカーを停めにやってきます。

ただ、キャンピングカーは割と新しかったのでロマ人ではなくて「Gens du Voyage」の方だったかもしれません。

Gens du Voyage…フランスに40万人いると推定される定住地をもってない人たち。95%がフランス人で季節労働者などが多いのがロマ人との違い。こちらもロマ人と変わらず厄介な人が多く、無断で会社の敷地に駐車しては電気を使用したりすることが問題になっている。


コロナ流行中で行くところがないと、複数の駐車場(営業中の会社・私有地)を違法で占拠した「Gens du Voyage」。
20台のキャンピングカー、100人が無断で電気・水道も利用していた。

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ロマ人の現状。逃げだせない現実も

違法キャンプは、撤去しても次々とキャンプ場所を見つけては占拠していくので、永遠の無限ループのようになってきています。

上の動画の人が一般的なフランス人が想像する、ロマ人やGens du Voyageの姿なのかなと思いますが、開き直っていてかなり図々しい人達が一定数いるので、こういうところが印象に残りやすくヨーロッパ中で嫌われている理由だと思うのです。

▼例えば、シリア人を装って物乞いしているロマ人もいるし…


しかし、生まれた頃から物乞い・スリは家族を助けるために当たり前だと育てられている子供が多いのも特徴です。

ヨーロッパ中にネットワークを張り巡らして子供達に散々盗っ人を推奨するロマ人の大人たち。
儲けたお金で国に戻りスリ御殿を建てている成り上がりもいる。(下の動画の最初に映る映像は、ロマ人に携帯を盗まれた日本の方が犯人を捜しています。)

▼親からノルマを課せられている子供も沢山いて、スリや物乞いをしたくない、けれども強要されるなど、逃げ出せれない現実もあります。この動画の19:20~頃。

Enfants Roms : Au coeur des Réseaux


フランスに住んでいるロマの子供達で小学校に通えている子供は10%程。何年か前にはロマ出身の女性がソルボンヌを卒業し学士号を習得。当時珍しかったのでニュースにもなりましたが、それでも偏見に苦しんでいるとインタビューで話していたのが印象に残りました。

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