添い寝・夜泣き・寝かしつけ。フランスでファミリーベッドの意義は伝わる?

添い寝・夜泣き・寝かしつけ。フランスでファミリーベッドの意義は伝わる?教育・子育て・バイリンガル
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(congerdesignによるPixabayからの画像)

私は小学生になるまで、両親や同居していた祖父母の間に挟まりながら寝ていて、家族と一緒に寝るのが当たり前の世界で育ちました。

実家は田舎の大きな木造の家だったので、日中でも長くうす暗い廊下が怖く、ダッシュで走りながらトイレに行っていたし、誰もいない部屋に1人で残る事もできなかったので、誰かが傍にいてくれると安心していた事を覚えています。

例えば日本の場合、就学前の子供が夜に1人で寝るのが怖いと言ったら、添い寝して子供を安心させる親は多いのではないかなと思いますが、日本のような添い寝文化が無ければ、私は幼いながらにも積んでいたと思うのです。

今回は、こんな環境で育ってきた日本女がフランスで子育てをした時に、現地の子育て論と合わず揉めた事やフランスでの反応と現実。そしてアメリカ流のファミリーベッド論争について紹介してます。

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添い寝・夜泣き・寝かしつけ、そして子育て。フランスで揉めた事

夫の叔父(義理母の兄)さんはベトナムの方と結婚し3人の男の子がいるのですが、義理家族は叔母さんの子育て方法に否定的な所を会話の端々から感じてました。

べったりし過ぎている、お母さんが子離れしていない、そして授乳期間が長すぎる。

大きなお世話なんだけど、こんな印象を義理家族は叔母さんに対して抱いていて、

アジア人の子育てに対してネガティブな先入観があるせいか、長男が生まれ退院してきた翌週には、「赤ちゃんが甘え泣きしている時はそのまま泣かしとけばよい。抱き癖がつくし、その内一人で寝れるようになるので、イチイチ抱っこしなくてよろしい。

という事をチクリと生後10日頃の息子が泣いている傍で言われた事があります。

この意見には夫も賛成で、「我々がご飯を食べている間は静かにご飯を食べたい。その間、子供は泣いてもそっとしておいて。」というのが要望でした。

当時、私は夫の転勤でアルプス地方に住んでいて、慣れない土地で慣れない子育てを始めたばかり。出産予定の3週間も前からパリからやってきてスタンバイし、昼と夜、毎食ご馳走になりに我が家に来る無神経な義理両親にイライラ。そのくせ、生後10日の赤ちゃんが激しく泣いてるのに放っておけとは何事か!

しかも夫まで同調しやがって…

と、怒りが爆発し。

鬼と化した人
鬼と化した人

おい!生まれたばっかりの赤子がいて、ゆっくりご飯ば食べれるわけなかろうもん。

鬼と化した人
鬼と化した人

普通、こんな時に長期間1日2回もご飯食べにくる人がいる?ゴメンだけど(あなたの親は)他人の事を全く考えられない人達やね。ご飯食べたいなら、自分たちでご飯ば作れ。

鬼と化した人
鬼と化した人

生後10日の子がギャン泣きしてるのに、ほっとけってなんやか。びっくりするけん。

孫に抱き癖がつく心配するなら、自分たちの図々しさを心配してくれよ。と、いろんな意味で家族間で揉めたのが最初です。

添い寝していると言った時のフランス人の反応

しかしフランスでは、夫と義理両親のような意見を持っている人が多く、子供は自分のベッドで寝るべきだと考えるのが一般的。

ただ私は、川の字の国ジャポンからやってきた人間なので、この辺の意見が合いませんでした。

よく「子供の自立心が育たない」

とこちらの人は言っているのですが、

添い寝をしても子供は自立します。

寝かしつけ・添い寝についても、生まれてからひと月だけは私たちの寝室に赤ちゃんベットを置いてよいけど、その後は子供部屋に移してくれという事を夫からも言われたのですが、

夫の意見としては、いつも子供が横にいたらゆっくり寝れない。

夫婦間のスキンシップが無くなるのが嫌だ。

ということが本当の理由なんではないかと思うのです。


これは夫だけの考えでなく、フランス人ならば相当数の人が同じことを思ってるのですが、

カップルの親密さに重点を置いているので、子供がずっと横に寝ている事で不満が溜まり、カップルの関係性が失われるほうが問題だと考えているからなのだと感じます。

子供ファーストではなく、カップルファーストが優位な国にいるから、育て方の価値観に相違が生じているのです。


なので、お母さんと子供が一緒の部屋で寝て、お父さんが一人別室で寝る。

こういった事をフランスで堂々と話してしまうと、

その夫婦の関係性は破綻しているのではないか。

と驚かれ、勝手に想像されてしまいます。

特に夫やパートナーからの反発は必ず起こると断言できるほど、フランスではマイナーな事なのです。


もちろん、赤ちゃん時代からの1人寝は、夫婦の関係性を保つだけでなく、他の理由からもおすすめされています。

例えば、フランスの家庭はほとんどが共働きなので、早い人だと出産後2ヶ月程で社会復帰をします。なので、赤ちゃんが一人で寝てくれないと、親の体力が持たない… 疲れる…

そういった事で、仕事を再開する前にミルクに切り替え、赤ちゃんを別室に移し、一人寝のトレーニングを始める家庭も多いのです。

遭遇しやすい添い寝否定派、なじる人達

フランスでは、小児科での検診だったり、産婦人科医だったり、初めて訪れた医者だったり、または、保育園、一時保育前、シッターさんからなども

「夜、子供はよく眠れていますか?一人でぐっすり眠れてる?」

と質問を受ける事が多々あります。

特に検診では代表的な質問なので聞かれる頻度が高いのですが、

そこで「川の字になって寝ています。」と、うっかり真面目に答えてしまうと、論される事があります。

「私の国では川の字になって寝るのが一般的なんです。」

と言えば、外国の子育て文化をリスペクトしてくれる素晴らしい方もいらっしゃいます。

しかし問題は、なじる専門家です。


「生後半年過ぎても添い寝してるの?母乳だからいつまでも欲しがって起きるんだよ。赤ちゃんをゆっくり寝かせてあげて。」

「えッつ、10か月も母乳育児続けてるの?それは長すぎる。」

「えっ、子供と一緒に寝てるの?あなたの家は何部屋あるの?えッ4部屋。それで、なんで一緒に寝てるの?」

とダイレクトになじる専門家がいます。

検診に行ってるだけなのに、地味に傷つく言葉を言う専門家の存在です。

保育園などはお昼寝があるので、この質問項目に嘘をついても後でバレる可能性もありますが、小児科や病院の先生からのお決まりの質問ならば、「一人でぐっすり寝ています。」と嘘をついといた方が無難に過ごせる場合もあります。

フランスでも怖い時は一緒に親と寝てる

一般的に子供は別室で寝かせるのがデフォルトなフランスなので、赤ちゃん時代からぐっすりと1人で眠ってくれる子が多いのですが、

怖がりさんだったり、誰かがいないと不安になったり、繊細な子供はいます。

なので、よく他のお母さん達と話をしていると、

子供がぐっすりと朝まで寝てくれない。

夜中に起きて困っている。

と言っている人も意外と多いのです。


夜泣きする度にあやしていたら、癖になるので、泣いても探しに行かない。

お母さんだと母乳を欲しがって癖になるので、お父さんがミルクをもって夜泣きに対応する。

父親・母親が交代で平等に夜泣対応をする。

こういった家族も沢山ありますが、逆に、

根負けして一緒に寝ているなど、家族によって対応は様々。

ベースは別室ですが、子供が夜中に起きて両親のベッドに忍び込んでくる。

寝かしつけの時、疲れて一緒に寝ている。

寝るまでの間は一緒にいる。

などなど意外と一緒に寝ているパターンもあります。

そういった場合も

「うちは夜、たまに子供と一緒に寝てるよ」

とオフィシャルには言いません。

なぜならば、子供の自立心を奪っている、過保護に育てていると思われてしまう節があるので、公には言っていない場合があるのです

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フランスで「ファミリーベッド」の意義は認知されるのか?

しかし赤ちゃんの一人寝を推奨しているフランスにも、「ファミリーベッド」なる言葉が認知され始めています。

▼こちらの記事では、子供が自分の部屋を欲しがるようになるまで、夫婦のベッドを共有する…これは、アメリカで流行している「ファミリーベッド」と呼ばれるもので、フランスの親たちを惑わすかもしれない。と紹介されてました。

Le nouveau débat : dormir ou pas avec ses enfants ?
Partager le lit conjugal avec bébé jusqu’à ce qu’il réclame lui-même sa chambre… C’est le “family bed”, une pratique controversée, en vogue aux Etats-Unis, qui ...


ファミリーベッドとは、日本の川の字と同様の意味を指しているのですが、

カップル生活優先型のフランスでは「ファミリーベッド」は99%定着しません。

しかし「添い寝は子供の自主性や自立の機会を奪ってしまう」と今まで否定的だった意見は、これから変わっていくのかもしれません。

なぜなら、乳幼児の添い寝には子供の心を安定させてくれる大きなメリットがある。と唱え始めた「添い寝肯定派」の精神科医の存在がチラつき始めたからです。

20%の子供にとって強制的な1人寝は根拠のない不安を与える?

先ほどのリンク先の記事では、とても興味深い事が紹介されていました。

それは、添い寝肯定派のフランス人精神科医、David Servan-Schreiberさんが紹介していた内容です。

▼子供は生まれながらにして個々の明確な気質を持っている。

生まれながらの個々の気質
  • 40%の子供は、生まれながらにして、優しい・社交的・自立・適応力がある
  • 10~20%の子供は、気難しく扱いにくい
  • 40~50%の子供は、この両極端の間にいる

1人寝トレーニングが難しい…
やっぱり子供の気質は大いに関係しています。

▼実際には相当数の子供が気難しいグループに属していると考えられますが、この子供達には以下の特長があると述べています。

気難しく扱いにくい子供の特長
  • 寝かせると直ぐに泣く。
  • 知らない人を極端に怖がる。
  • どんなに短い間でも親から離れると不安になる。

この気難しいグループに属している子供にとって、ファミリーベッド、もしくは親のベッドに隣接した場所に寝る事は、例外なく適応するだろう。とも語っています。

▼相反する2つの欲求はファミリーベットで解決できる。これによって親も子もより健全になる。

相反する2つの要求
  • 新生児は保護者から守られたい生物学的要求を明確に表現する。
  • 両親の睡眠の必要性。

新生児を自分のベッドや隣のベビーベッドに寝かせている親は、別室で寝かせることを選択した親よりも、睡眠に満足している。親の近くで寝ている子供は、夜泣きが減り、寝つきがよくなる。と紹介されてました。

▼その他の参考

その他参考
  • 10年、20年後。ファミリーベットで育った人は、自立していて温かく、両親と親しい関係を築いている。彼らのセクシュアリティもより充実したものになる。
  • ファミリーベッドを実践した250人の親を対象に行ったインターネット調査によると、99%の人は迷いなく同じようにファミリーベッドで子供を育てると回答。
  • ファミリーベッドの環境で育った子供は100%、親になった時に同じように子供を育てると回答。

※インターネット調査はLeche Leagueのようなファミリーベッドを推進する団体を通してアンケートが行われているので、ポジティブな回答になっている事が注意。にしてもこの結果は凄いらしい。


こういったファミリーベッド肯定派の専門家の意見や分析をフランスでもチラホラと見かけるようになりましたが、もちろん否定派も多くいます。

実際に、子供が一人で寝てくれると、夜はゆったりと夫婦で乾杯できるし、子供の就寝時間に家事を合わせなくて良いので慌てる必要がなく、リラックスできる大メリットもあります。

ファミリーベッドの意義は理解してるけど、正直、添い寝は疲れるしメンドクサイ。

そんな意見が多いのです。

フランスでは専門家の意見が真っ二つに分かれているので、このファミリーベッドは新しい論争の的になるかもしれないのですが、

自分の子供がこの40%の「難なく一人で寝れる子」でなく、20%の「繊細な子」で添い寝した方が子供の心の安定を保てる。そう思えば自分の意見を貫いて川の字を実行しても良いのではないかと個人的に考えます。

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おわりに

長男は、産院にいる時から既に泣いている子だったので、夜も全然眠れず「赤ちゃんが寝てくれない!!!!!!」と必死に助産婦さんコールした時のこと、

そのフランス人助産婦さんのアドバイスは「赤ちゃんは一人で寝れないよ。抱っこして温かくして一緒に寝たら。」と意外な返事に驚きました。

フランスでもこういった考え方の人がいるんだ!

と自分が持っていたステレオタイプが剥がれた瞬間だったのです。

しかし、国際結婚して相手方の国に住んでいる方など、現地の子育てスタイルがまったく合わない方もいますよね。

初めての子供を海外で出産するって心細いし不安も大きいのですが、子育の考え方や価値観が夫婦間で大きくズレれば、その後はさらに苦労します。

国際結婚する前のチェックポイントとして、もし離婚したら子供と一緒に日本に帰る事は可能か?

それと同時に、子育て方針(添い寝や寝かしつけも含める)についても相手の考え方をじっくりと確認した方がよいかもしれません。

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