病院・医者の診察予約がストレスになる海外生活

医療

海外で病気やケガをした時、まず取るべき行動は「診察の予約」です。私の住んでいるフランスでは、緊急病院以外のすべての場所で診察予約が必須になっています。

日本の場合、当日予約なしで行ける病院や個人医院が沢山あるので、受診までの流れが非常にスムーズですが、海外では、必ず「予約」をして日時を決めないと診察してくれない場合が多いのです。

今回は、医療機関への電話予約時のストレスについてのお話です。

医者の診察予約がストレスになる海外生活

緊急病院に行くほどではないにしろ、急ぎで医者に診てもらいたい時ってありますよね。

症状によっては、かかりつけのお医者さんや専門医へ電話して、なるべく早く診察してもらえるように緊急枠に割り込ませてもらう必要があるのですが、その電話予約が嫌で嫌でたまらない海外在住者の方、結構いるのでは?と察しています。

なぜなら、お医者さんはとても良いのに、残念かな…受付が非常に感じ悪くて予約を取ってくれないなど、日本では考えられないような嫌な目に何度もあっていて、電話自体がストレスになっているからです。

意地悪!診察予約受付代行のコールセンター

フランスのお医者さんはマンションの一室に診察室を構えている人が多いので、基本的に予約の電話をとりません。一人でやっているので、一緒に働く看護師さんも受付の人もいないし、15分~20分毎に患者を診察しているので、電話での予約・問い合わせについては、予約受付代行のコールセンターに転送しています。

ただ、このコールセンターを運営している会社の質には雲泥の差があって、医療秘書専門の人だけが電話をとっているプロフェッショナルな会社もあれば、ただ安いだけが取り柄の代行業者もいるのです。

かかりつけの医師がどの会社と契約をしているかによりますが、転送先がサービスの悪いコールセンターだった場合、話している内容は十分に理解できるはずなのに

「何言ってるのか分かんないわよ!」と切れられたり(友達談)

「ええっとー」と言いながら、通話を切ってわざと担当を外れたり(体験談)

「1分待ってください」と言ったきり会話ができなくなったり(友達談)

「先生は英語が話せますか?」と質問しても「多分出来ない」と確認もせず返答する適当な人もいるのです。(体験談)

ここに書ききれないほど色んなエピソードがあるので「主治医はいいんだけど、予約の電話が憂鬱で嫌だ…」と、次回の予約を躊躇するくらいダメージを受けています。

診察予約時には、常に、こちらが丁寧にお願いしながら予約を取ってもらう形がデフォルトになっており、時たま優しい人(日本の平均的なサービス)が受付をしてくれると涙が出るくらい嬉しくなるのです。

最近はオンライン診療・予約システムの確立で、電話で予約する必要が少なくなり、前よりもハズレだと思うオペレーターに出会う事が少なくなりました。ただ緊急の場合は電話予約の一択になるので、あまりにも酷い対応を受けた場合は、かかりつけの医師に出来事を話すと、代行業者を変更するなどして対処してくれる場合があります。

受付嬢も不愛想、フランス人も不満続出

一般医・専門医・医療専門職などが同じ建物内に複数いる「Maison médicale」に行く場合、ここでは待合室や受付を他の医師と共有しているため、専門の受付嬢がいます。

電話予約だけでなく、来館した患者の受付や問い合わせ等も行っているので、診察予約受付代行のコールセンターよりは対応力がずいぶんと良いですが、残念ながらここでも不愛想な人が多いです。

私が年に1度通っている、CT・エコグラフィ・レントゲン・MRIなどの検査を受けれる医療機関では、あまりにも受付の対応が悪く患者が激減した現象が起こりました。

▼google上の口コミは、★2.2と最悪の評価になっています。

googleのキャプチャより

こういった医療機関の口コミの場合、大半の評価やコメントは医療従事者についてのものですが、ここでは受付の対応にも非難が殺到していて、

「少しは笑顔を見せろ」「目を合わさない」「患者をバカにしてる」「ガチャ切りされた」「ここには2度と行かない」「逃げて」「態度が傲慢」「対応が不愉快」「予約が取れない」などの怒りのコメントが多く投稿されていました。

海外で医者の診察。予約が取れない事も…

私が経験した中で一番不愉快だったのは「今はシステムの技術的なエラーが発生しているから予約ができません。1週間後に電話してください。」と何度も繰り返され、予約が出来なかった経験をした事です。ですが、受付がそう言ってる割にはオンライン上の予約は問題なく稼働していたので、試しに声がダンディで低音な旦那が電話するとあっさりと予約が取れ悔しい思いをしました。

あまりにも対応がぶっきらぼうだったし、フランス語の発音がおかしい外国人だったから意地悪されているのだと最初は凹みましたが、実は、外国人に限らず、フランス人も同様の目に遭っていたようで、受付けの人が非常に怠慢だった事が分かりました。

こういった場合、経営者はgoogleの評価を見ていますのでドンドン書き込んでいれば、サービス向上のためのアンケートを導入したり、予約時の会話を録音するなどの対策が取られます。

▼2年ぶりに行った医療施設のアンケート用紙。

このアンケート用紙と会話録音が功を奏したのか、受付けの態度が180度変わっていた。

おわりに

子供の体調が突然悪くなったり、症状が醜くなってしまったなど、予約をなるべく早めに取りたい場合、現地語で上手く説明できないと枠を確保できない現実はもちろんあります。

もともと海外の医療現場は予約で一杯に埋まっている場合が多く、専門医の場合、診察まで数か月待ちが当たり前にあります。その状況の中で「症状が悪くなったので、なるべく早く予約を取りたい」などのイレギュラーな対応の依頼は、現地人でもストレスがかかるのです。


▼専門医は2か月待ちが当たり前なフランスの医療事情