なんでもかんでも自分でリフォームする人が多いフランスですが、時にはプロの手が必要な時もあります。
DIYが当たり前のフランスで、高いお金を出してプロにお願いする。
超優良企業に注文していたので、安心していたら…
とっても痛い目にあった実話と、フランスのクレーム処理対応のレベルの低さに驚愕したお話です。
フランス在住の人で、これからリフォームや家を建てようとと計画している人へ。
信頼できる会社を選ばないと、こんな結末が待っているよ!
という事前の心構えのつもりで、この記事に目を通してくれると嬉しいです。
クレームの発端は、フランス大手企業とのリフォーム・トラブル
過去に我が家が経験したリフォーム・トラブル。事の始まりは、とある大企業に工事を依頼した事でした。
その会社とは、よくCMで流れているあの大手ホームセンター「L・M」フランスを代表するホームセンターなので、気づいた人もいるかもしれません。
隣人がこの会社に雨戸の取り付けを依頼した時は、仕上がりが素晴らしくスピーディ、なので何の疑いもなく安心しきっておりました…
それ故、我が家も「 窓・窓枠 ・雨戸」の発注と、取り付け作業を依頼してみました…
実はこのホームセンターで商品を購入した際に取り付け工事を依頼すると、取り付け工事は別のパートナー企業が担当します。なので、派遣されてくる作業員たちはパートナー企業や小さな会社の従業員です。
が!しかし!
出来上がりを見てビックリ!
全ての窓取り付けが完成して満足そうに「カンセイ! 僕の仕事終わりました 」 という作業員の仕事がこちらです。↓↓
正面からだと分かりづらいけど、実は窓枠が壁から2cmも!浮いているんです。
そして、 窓枠から白いモコモコがはみでている、なんか白い物体が…
この白いモコモコはムースと呼ばれるものなんですが、スプレー式の生クリームのように『シュー』とクリームを出すと、瞬時に泡のモコモコが乾いて、空気を含んだ発泡スチロールのようになる代物なんです。
作業員が言うには、「窓枠の仕上げは別料金だけど、これで問題ないでしょ」と言い出すんですね。
ただただビックリするしかなかったんですけど、私たちが契約したホームセンター側の工事契約書類を確認しても、やっぱり「取り付け工事」と「仕上げ込み 」のトータルな工事と書いてあるんです。
この作業員の堂々っプリに「この作業員、何を言っているのか分からない… 」 と旦那も私も混乱しそうになりましたが、何度も仕上げ込みの料金を支払っているよと言っても、
「僕の会社の人は、取り付け工事だけって言ってたよ」
と…
元請けのホームセンターや、自分の勤めている会社に確認の「カ」も思い浮かでばないレベルの人が取り付け担当者なのです。
別の窓枠を違う角度から見てみると、
完璧に壁から窓枠が浮いてます。
ちょっとこれ、ひどくないですか?
お家にある窓のすべてがこんな感じで、お風呂の窓もそう。
でも例の天然作業員は、「これでシャワー使っても大丈夫、水は漏れない!」って言うほど一般常識がない人なんです。
「いやいや漏れるやろ、モコモコから水が壁に浸透していくやろ 」
って反論するんだけど、話が通じないので、この人ホントにおかしい、ホントニオカシイ、と旦那と言い合うようになりました。
工事の途中から、いろいろな事で違和感がでてきてはいたけど、取付完了したら自信満々なところも、絶対オカシイ。
そして、その後も出るわ出るわ、出てくるわ。取り付けミスが…
いたるところで壁が壊れているけど、
「取り付けで壁が壊れてもサポート範囲ではない 」
って言い返す作業員なんです。
そして極めつけはコレ。
外からの太陽の光がみえますか?
これは、もともとあった窓よりも小さく測って窓枠を発注している為、壁も窓もない2.5cmの隙間が出現しているのです。たんなる測定ミスで絶対に窓枠のサイズが合っていないと気付いているんですが、そこに例のムースで穴埋めして隠しているんです。
ちなみに窓枠のサイズを測ったのは、例の天然作業員。本人です。
そして、さらには雨戸にまで問題が…
間違って、新品の雨戸に穴をあけた作業員。
でもバレないと思ったのか、普通に設置するほどの強者でした。
ちなみに左右反対で取り付け違いの雨戸もあったり…
新品なのに傷だらけの窓が混ざっていたり…
実は天然作業員ではなく、確信犯である事に間違いないのです。
その他にも外側からの仕上げが完了していないなど、致命的なミスを連発していきます。
- 外窓に付ける水除が、配送時点ですべて折り曲がって壊れている。
- 外窓と外壁の隙間をシリコンで埋めてない。
- 外から見たら窓も壁もない、白いモコモコがむき出し。
こういった悲惨な状況でして、現在の状態では、仕上げどころの話ではなく、雨が降れば確実に家の中に水が漏れてくるようになってしまったのです。
これはイカン奴や!
イカン奴が工事を担当しとる!
とリフォームトラブルの発端となった出来事が2019年の1月です。
一応、顧客対応に力をいれている会社です
一応年の為にいうと、私が窓枠やらを購入したホームセンター、L・Mは顧客対応に力を入れている会社で、2017年に「Prix Excellence Client 」を受賞している優良企業です。
この賞は、顧客に満足のいくサービスを提供することで成功した企業、顧客満足度の高い会社が受ける賞。
フランスでは相手側のミスがあってもなかなか認めてくれなかったり、認めてくれても対応が大きく遅れるのがデフォルトですが、サービスの質が良いと定評あるフランス企業の「クレーム処理機能」 はどうなんでしょうか?
ちなみにですが、フランスで顧客満足度が高い「Prix Excellence Client 」を受け取っている会社には
- Decathlon
- ING Direct
- Nature&Discoveries
- Nocibé
- Picard
- Leroy Merlin
こんな感じですが、大手ホームセンター「L・M」でトラブルが発生した場合は、どんな対応をしてくれるのか?
ここまで壮大な取り付けトラブルに遭遇し、クレームを出したらどのように動くのか?
前置きが長くなりました、次で紹介したいと思います。
クレームが響かないフランス大企業。その対応と原因
まず、契約したホームセンターに行き、いろいろと大きなトラブルが発生している事を報告。
そして契約書通りの仕事をしてもらうように再依頼しました。
お願いした事は次のような内容です。↓↓
- 傷だらけの窓の取り換え
- サイズが違う窓の取り換え
- 穴をあけた雨戸の取り換え
- 窓枠の仕上げを最後までやる
- 外窓と壁の間、水が浸入しない様にシリコンで防ぐ
- 備え付けの水除、配達時点ですべて壊れたので取り換え
これくらいを最初に依頼をしなければいけなかったのですが、至って普通の事です。
直接店舗にも行き、証拠写真をすべて取り文章にて正式に要求しました。
しかしその後、この超大手企業がどういった対応をするのか?
一連の流れをここで説明したいと思います。
クレーム後、アフターサービス担当の反応は「驚く」だけ
クレーム処理を担当する部署は「アフターサービス」なのですが、ここの人に工事ミスの証拠写真を見せたら、驚かれました。ここでは、ただそれだけです。
「信じられない、酷い工事ですね」と、いたって他人事のように話されていました。
窓枠の取り付けを行ったのはパートナー企業だから、ホームセンターのミスではない。
そういった感じです。
日本のように「申し訳ありません。」なんて言葉はないのですが、ただ良かったのは、契約をしている会社はこのホームセンターなので、その調査員が当日中に自宅まで工事ミスの様子を確認しに来てくれるとの事でした。
しかし、家にやってきた調査員も、他人事のように「この工事酷くない?」と逆に問いかけてきます。
さらに調査員達が現在進行中の工事ミスの話を始めるのですが、そのすべては工事担当であるパートナー企業が悪いといった様子で、こういった事からも、この会社では相当なトラブル数が発生しているけど、誰も問題解決に今まで誰も取り組んでいないのだろうな。という事が容易に想像する事ができました。
担当者がバカンスでいないから契約内容がわからないと言う
そして極めつけは、工事をどこまで担当するのか、この調査員たちもイマイチ理解していない事でした。
「担当した人がバカンスでいないから、契約内容がよくわからない」
と衝撃な事を言うのですが、何のためのお客様番号やねん!大企業の癖に。
と思わず突っ込みたくなる対応でした。
さらにディレクターの判断を待てと言われる
そして2週間後に担当した人が我が家を訪れます。
そして毎度のように「ビックリ」するのがお決まりですが、この担当者が良かったのはすぐさま「工事を担当している会社の社長」を呼びつけてくれた事です。そして話した結果、追加工事が必要になるよね、という事。
しかし「追加工事が出来るかは、店舗のディレクターが決めるんで… 」
と驚くような発言をします。
そしてさらにはこのディレクターが捕まらないんです。
待っても待っても返事がこないんです。
さらにはホームセンターのアフターサービスに電話しても誰も電話に出ないし、やっと繋がって、とりあえずディレクター連絡よこせ!といってもディレクターは捕まりません。
そんな会社だった為、本社に電話してからディレクターを捕まえてもらう事にしました。
本社と店舗の連携ができていない
しかし、この会社は本社と店舗の連携ができていないので、ここですれ違いが生じます。
一向に捕まらないディレクター。
契約内容の工事が完了していない上に、工事ミスだらけの写真をすべて撮り、本社用にメールと証拠写真を添付して再送信します。
そして、ここでも驚く本社の人。
事情を話し、メールを転送し、ヤバい状況が分かった本社の人は、ディレクターから折り返し電話を約束してくれますが、連携が上手くいっていないので、全然、折り返しの電話なんてかけてきてくれません。
なんで2日後、本社に電話したんです。そしたらディレクターがいました。
そしてディレクターは、「クレームのメールなんてもらってない。本社から連絡もらっていない 」 って言うんですよ。
今までずっと本社やアフターサービスの人と連携が出来ておらず、ディレクターの耳にクレーム内容が伝わっていなかったそうです。半分嘘かもしれませんが。
連携が出来ていないからこそ、書類関係の処理が遅れるのだと実感しました。
店舗とパートナー企業との連携ができていない
そして、このホームセンター最大の致命は、パートナー企業との連携が出来ていない事です。
ホームセンター側とパートナー企業は同じ顧客を共有していますが、管理している顧客番号は異なっており、工事の進み具合などを調べるための情報は共有されていません。
パートナー企業が無事に工事が完了した際に、工事完了の契約を顧客と行うので、その結果だけを確認して工事料金を支払うという流れになっております。
なので、工事の質や進行状況は丸投げになっている状態で、我が家のようにクレームが発生しても、ホームセンター側で確認すら出来ない悲劇が生まれます。
そして、顧客がホームセンター側と結んだ契約内容と、ホームセンターがパートナー企業に依頼した契約内容が異なっているミスも発見。
さらには、追加工事の内容と窓・窓枠・雨戸の再発注の指示が毎回共有されておらず、パートナー企業がいちいち工事を拒否⇒その都度、ホームセンターの担当者が我が家に来るを繰り返しました。
連携がなっていない故に、顧客とのトラブルが絶えない会社なのです。
一度決めた契約書は、ミスがあっても変更しない
さらに、このホームセンターが酷いのは、明らかな工事ミスであっても、一度決めた契約に変更を認めない事です。
例えば工事を担当するパートナー企業も絶対に最後まで変えないルールが存在しています。
なので、我が家のように工事担当者が明らかに変な人でプロではない人でも、その人が最後まで工事をやりきらなければいけないのです。
工事を担当する会社は絶対に変えません。
ちなみにその会社で働いている人にまともな人がいなかったので、工事期間は物凄い伸びました。
なぜなら、追加工事なのに更なるミスを繰り返すので、結果、4日で終わる取り付け工事が、最終的に7か月かかりました。
おわりに
フランスでのリフォーム、新築を依頼する時には、依頼元に要注意です。
トラぶった時の処理が非常に面倒だし、工期が伸びる事なんてしょっちゅう。追加工事が必要と言っては追加料金が発生する事があります。
2年で終わる予定だった注文住宅の工期が4年に延長されたケースなど多々あるので、工事業者との直接契約は避けて、建築士を通したり、口コミで地元で信頼されている業者を選ぶ事が大切です。
我が家の場合はフランス大企業のホームセンターでしたが、クレームが処理されるまでの時間が恐ろしい程長く非常に大きなストレスがかかりました。