41%のフランス人にとって星付きレストランは手に届かない夢

41%のフランス人にとって星付きレストランは手に届かない夢リアルなフランス

(キャプチャ画像:LockenfroschによるPixabayからの画像)

4月1日はエイプリルフールだったので、至る所で小さなイタズラやちょっとしたジョークが飛び交いましたが、フランスではシャレにならない冗談が2件発信され世間を騒がせていました。

どちらもキーワードは400ユーロ代の食事に関するエイプリルフールだったのですが…

それが、あたかもフランスの格差社会を見ている様なニュースだったのです。

フランスの格差社会を象徴する対照的な2つのニュース

最近、フランスを騒がせたニュース。

▼デリバリーサービス「Deliveroo」のエイプリルフール。「38枚分のピザと50袋のピカンテ、合計約466ユーロ(約6万円)の注文受け付けました!」と顧客に送信した事が大問題になった。


この偽注文受領がメールで送信されてくるので、クレジットカードの情報を盗まれて注文されてしまったと思い、クレジットカードの使用停止手続きをした人が続出。

中には銀行口座に残高が無い人もいるし、フランスではクレジットカードの情報が読み取られていて、使い込みされる事も多いので、このメールも受け取った人全員、相当焦ったのではないかと思います。


そしてもう一つのエイプリルフールは、もっと大事になっていて、

▼「ここ数週間で何人かの大臣と食事をした」とほのめかしたとされる、ナポレオン大好き有名コレクターの大失態。フランスはコロナの影響でレストランでの飲食が禁止されているはずなのですが、この有名コレクターが所有する高級サロンで闇レストランを開業していたのが世間にバレました。


後に「単なるエイプリルフールのジョーク。大臣達を食事に招待していない…」と発言を撤回。フランス政界と一般市民を敵に回す大騒動に発展し、税務当局からも狙われるようになりました。

上のビデオはテレビ局クルーが「闇高級レストラン」に潜入する様子。この中でサービス係の人が「ディナーは160ユーロ~」と説明している件があり、メニュー表を見てみると、一番お高いディナーメニューが490ユーロ(約6万4千円)だったのが確認できます。

ちなみこの490ユーロという金額は、正統派の星付きレストランよりも非常に高額で、ふざけたお値段設定になっているのですが、コメント欄でもディナーメニューの値段を気にしていた人が多かったように見受けられました。

今年のエイプリルフール騒動。一つは38人分のピザに匹敵する466ユーロ。もう一つはお一人様分のディナー490ユーロ。フランスの格差社会を象徴するような対照的な外食費の予算だったのですが、

RSA(生活保護)との比較コメントだったり、

(闇高級レストランは)95%の国民にとっては禁じられた場所。

とコメントがついていたのが印象的でした。

星付きレストランに気軽に行けるフランス人はどれくらい?

本場のフランス料理を堪能しようと、フランスを旅したら星付きのフランス料理店に行ってみたいと思う旅行者は多いと思います。

当然のことながら、ミシュラン本に紹介されている星付きレストランを予約する際には、お値段が大きな戸惑いの元となりますが、美味しいと評価されているのに安い値段でフルコースを提供しているレストラン、探せば意外とあるのです。

確かにフランスの外食費は日本に比べると割高ですが、一つ星が付いてるのに30ユーロくらいからメニューを提供しているレストランもあるので、「意外と通いやすいお値段ですね」と日本人ならば思うかもしれません。

INSÉÉ(フランス国立統計経済研究所)によると、2018年のフランス人平均給料は手取りで約2369ユーロ(約30万円)

男女別の平均だと以下のようになってます。

  • 男性平均…2 547ユーロ(約33万円)
  • 女性平均…2 118ユーロ(約27,5万円)

しかし、この金額は経営者等の高給取りを含めた平均給料なので、実際の平均額はかなり下回るのです。

給料の割には生活費が割高なフランスで、星付きレストランに行く事が出来るフランス人は、どれほどいるのだろうか?

と純粋に気になりました。

探してみたら共同購入型クーポンサイトを運営する「Groupon」が2017年に世論調査を依頼していたようで、その結果をまとめた2つのサイトに辿り着きました。

41%のフランス人にとって星付きレストランは手の届かない夢

ミシュランンの星付きレストランで美食を楽しむことは、多くのフランス人消費者にとって夢のようなこと切り出している記事。

▼「41%のフランス人にとって星付きレストランは手の届かない夢」と紹介している記事

こちらの記事では「フランス人の41%が星付きレストランを経験したことがないというよりも、手に届かない夢だ。」と紹介されていました。

既に星付きレストランに行った事があると答えた人でも、年に1度だけ行くと答えた人が17%。

年に数回星付きレストランで食事をすると答えた人は全体の19%のみでした。

2/3のフランス人は星付きレストランにアクセス不可能

フランスの食文化はフランス人が誇るべきフランスの重要遺産と前置きしながらも、どれほどのフランス人がこの素晴らしい食文化をレストランで体験できてるのか?と疑問を投げかけてる記事。

▼「2/3のフランス人は星付きレストランにアクセス不可能」と見出しをつけています。

Pour 2 Français sur 3, les restaurants étoilés restent largement inaccessibles
La gastronomie est l’un des atouts majeurs de notre pays et une fierté pour la majorité des Français. Mais ont-ils souvent l’o...

この世論調査の対象人数は1095人ですが、そのうちの68%は、星付きレストランのお値段が高すぎて行くのに躊躇してしまうと考えており、32%は特別な日に行く場所と認識している事から、星付きレストランの敷居の高さをうかがい知る事ができます。

ミシュランの星付きレストランに行った事がない、もしくは行ったとしても年に1度以下と答えた人の割合は全体の63%。一般市民は星付きレストランにほとんど行かない、行ったとしても特別な記念日で利用するという感覚が一番しっくりきます。

おわりに

皆がロックダウン中でレストランを我慢する中、お金があれば何でもできるんだな!と再確認できるニュースでしたが、闇高級レストランの顧客が支払った金額のように、モラルと引き換えに135ユーロの罰金を払って手に入れる自由は、ぼったくりの対象になります。

一般的なフランス人の感覚としては、1年に1度くらい星付きのレストランに行ければいい方なのかなと思いますが、フランスの高級レストランにいる顧客の大半は外国人勢なんだなという事を強く意識した調査結果でした。


ちなみにですが、ミシュランのガイド本にはリーズナブルな価格でフルコースを提供しているレストランも紹介しています。

▼「Europe 1」 グルメレポーターが、 ミシュランガイド・フランス2020で紹介されていた星付きレストランを調べつくし、美味しいと評価されているのに安い値段でフルコースを提供しているレストランだけを紹介している記事

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