語彙力なし・外国語が下手だけどコミュニュケーション能力が高い人の特徴

フランス語

いきなりですが、フランス語講座でクラスが一緒だったカンボジアのおばちゃまの話です。

このカンボジアのおばちゃまが不思議な人で、片言のフランス語を話しているけれども、いつも彼女の周りには人がいて、誰かと一緒に爆笑している姿をよく見かけます。

初めてあった時には全く気付かなかったのですが、後になり、このおばちゃまが只者でない位に面白いと気づくのですが、

語彙力や外国語のレベルは低くとも人を寄せ付けるスキルや話相手を笑顔にする能力は別なのだと実感したお話です。

語彙力とコミュニュケーション能力は別物だと教えてくれた人

外国に住んだことがある人ならば納得されるかもしれませんが、初級程度の外国語で何人もの現地人を笑わすことが出来る人って、滅多にいないのです。

でも、彼女がまさしくそうで、

日本人で例えると「出川イングリッシュの出川哲郎さん」がそのまま女性になったような方なんです。

一昔前のボビーオロゴンのような計算されたボケでもなく、何ともスーッと入ってくる面白さが伝わる人で、彼女がいると、何か楽しいことを言ってくれるであろと期待した人が周りに寄ってきます。

通っていたのは市役所が運営しているフランス語教室だったので、複数のクラスがあり、担当の先生以外は生徒さんの名前を把握していない事が常ですが、彼女の場合は例外。他クラスの先生方や十数名のボランティアスタッフ。施設の受付の人、フラ語運営をしている役所の担当職員も彼女の名前を知っていて、用事がある度に彼女に話に来るほど人気なのです。

フランス語講座にいた外国人はもちろん、フランス人の先生と同教室にいるボランティアスタッフの方々なども、どんどんと彼女の笑いに引き込まれ、最終的に涙を垂らすほど笑ってしまうので、彼女のコミュニケーション能力は相当なものなんですが、

実は彼女、語彙力がまったくありません。

でも涙が出るくらいに笑える。

何でだろう。

多分、「欲張りな人(金銭面で)だね~」

って言いたかったと思うのだけど、

「gourmandise(食いしん坊)」と絶妙な言い間違いをするほどの人だし、

テキストを読むときは言い間違えて下ネタを言ってしまう。

しかし私の母と同じ歳であるその人は、フランス語を言い間違えたらどうしようとか、人前で話すのが怖いなど、そういった事が皆無で堂々としている人でした。

フランス語講座の途中から私は彼女の虜になり、フラ語の授業の時は隣に座っていましたが、横にいても毎日面白い

確かに彼女は文法は途切れ途切れになっていたり、言い間違えが多かったり、冠詞が無かったりしますが、聞いている側も「えっ?なんの話?」と混乱することがなく、不思議と耳を傾けてしまいます。周りの人がもうちょっと彼女の話を聞きたいという心理になってしまうのです。

多分フランス語のレベルで表現するならばA1~2くらいかなと思いますが、授業は途中から彼女が話し始めるし、先生も完璧にツボっている。ただ、他の生徒さんにフランス語を教えなければいけないという使命があるため、カンボジアのおばちゃまのお話を早々に切り上げさせる。

大体がこんな感じだったので、私が思うに、コミュニュケーション能力と社会性を生まれた時から備えている人だったのだろうと思いますが、

このカンボジアのおばちゃまは、語彙力とコミュニュケーション能力はまったくの別物なんだと教えてくれた人でもありました。

外国語が下手だけどコミュニュケーションスキルが高い人の特徴

カンボジアのおばちゃまほど語彙力がないのにコミュニケーション能力が高い人は見たことがありませんが、海外在住の方で現地語が上手くないのに友達が多い人って結構多くいます。

カリスマ性がある・外見が魅力的・何となく面白い性格が伝わっている。もちろんそういった理由もありますが、ここでは至って普通の人で「外国語が下手だけどコミュニュケーションスキルが高い人」の特徴をあげてみたいと思います。

文法は間違いだらけだけど問題なく伝わっている

最初っから完璧な文法で外国語を話せる人なんていないので、間違ってもいいので話す勇気が必要です。

ただ文法は間違っているけど、言いたい事が伝わる人伝わらない人がいます。

  • 文法は間違っているけど言っている意味は分かる。問題なく伝わる。
  • 文法は間違っているし何といっているのか分からない。話が伝わらない。

前者は会話のキャッチボールができますが、後者は聞く側が疲れてしまうので、なかなか思うように話が広がりません。コミュニュケーションの高い人は、外国語が初級であっても前者の場合が多いです。

なぜなら、シンプルな言葉をチョイスしながら、物事を順序だてて話を繋げていくのが上手いし、ポイントを抑えながら説明しているので分かり易いからです。

3~4単語の単文でさえも接続詞で繋げて上手く使いこなすことが出来るので違和感がない場合だってあります。

論点がずれない。相手の欲しい質問に答えている

コミュニュケーションの高い人は、会話中の論点がずれないので、相手の質問部分を的確に返している人が多いです。なので話が噛み合わず相手をイラっとさせる事がありません。

外国語上級者であったとしても論点がずれたり、会話が噛み合わなければ、話していても辛いだけですよね。

毒を持っているけど嫌味もネガティブさもない

たまに毒をはいたり少々の口の悪さは人間味が出て面白い場合もありますよね。しかし同じことを言っても許される人と許されない人がいるように、毒を吐くけれども不思議と嫌味が無い人がいます。

生まれ持ったキャラも影響してくるし、誰も傷つけていはいない事が前提になりますが、この嫌味のない言い方が出来る人ってコミュニュケーション力が高い人が多いです。

自分の意見は即座にハッキリ言う

自分の意見はハッキリと即座に言える人は海外では非常にポイントが高いです。

海外に出ると思うように議論できなかったり、説明が出来なかったりするので、

いつもYESと言っている印象を持たれやすかったり、ニコニコしていて何を考えているか分からない。といった印象を持たれる事もあります。

こちらから自分の思っている事や意見を言えるようになると、相手方も心を開いてくれるようになり、同じ立場で話をする事が出来るようになります。

人の心を掴む・興味を引き出すのが上手い

コミュニュケーションの高い人は、いつも話してばかりではないのです。

相手の興味あるものを引き出す能力が優れているので、聞き役に回ったり、相手に質問をしながら、会話を弾ませていく事ができます。

コミュニュケーションスキルが高い人と会話をすると、普段は無口な人が沢山話しだしたり、自然な形で話が続くので会話が途切れて気まずいといった事が少ないのです。

感情的にならずに話すことが出来る

海外にいると怒りに震える事が多いのですが、コミュニュケーション力の高い人は、感情的にならずに話し合いをすことが出来る人が多いと感じます。

感情に流されず落ち着いて話を出来る人はどんな場所にいても強いですね。

例え外国語が上手く話せなくても説明してみる事。出来ないものは出来ないと言える勇気、堂々としていると、相手側も交渉の余地を与えてくれる場合もあるので、変な場面で折れていません。

おわり

最後になりますが、私が出会ったカンボジアのおばちゃまは在仏歴が40年以上。

フランスにくる前は、カンボジアで過酷な時代を過ごし、クメールルージュ政権にご主人を殺され、当時小さかった子供2人連れてフランスに移住した人です。

大きくなったお子さんが自伝本を出版しているくらい(一度学校で出版された本を見せてくれた)、壮絶な過去を経験されていますが、

本人と言えば、明るく・たくましく・行動力もあり・人間力も素晴らしい。

そういう人なので人が寄ってくるのだと思います。

フランスで出会った数少ない尊敬できる人です。

タイトルとURLをコピーしました