フランス語で戸惑う冠詞。冠詞のジャンルを間違うと別の単語になる話

フランス語で戸惑う冠詞。冠詞のジャンルを間違うと別の単語になる話フランス語

今日、佐藤康さんの『しっかり学ぶフランス語文法』という本を懐かしい気持ちで読んでみました。

この本は私がフランスに来る前に使ったもので、初級者に向けてフランス語法についてくわしく説明されています。多分、この1冊をマスターし応用できれば日常生活には困らない程度のコミュニュケーション力をつける事が出来るのだろうと思うのですが、私は、この本の一番最初のページからつまずいたのを思い出しました。

なぜなら、この本の出だしは「名詞グループ」とそれに属している「冠詞」の説明から入ってくるので、その冠詞を理解するのに時間がかかったのです。

何年フランスに住んでいてもフランス語が難しいのはこの冠詞のせいではないかと思う位、複雑で面倒くさい…フランス語で戸惑う冠詞について紹介します。

【冠詞の概念がない】フランス語で苦労するポイント

まず最初に冠詞について説明すると、

男性(単数)女性(単数)男女複数
不定冠詞ununedes
部分冠詞dude la
定冠詞lelales

母音で始まる名詞の冠詞は別にあるのだけど、おおざっぱに言えばこんな感じで冠詞にはバリエーションがあります。

冠詞は、いろんなシチュエーションで使い分けるので、最初っからマスターできるものではないのですが、佐藤さんの本では、『定冠詞はdeと友だち 』と書かれていました。独学でフランス語を学んでいた私にとっては、この10ページ目のタイトルから胸騒ぎがしていた事を覚えています。

佐藤康さんの『しっかり学ぶフランス語文法』
佐藤康さんの『しっかり学ぶフランス語文法』
de の読み方をデと間違えて書いてしまう位、フランス語が分からなかった。

当時は冠詞の概念が無かったので理解するまで時間がかかりましたが、今改めて見ると「なるほど」と、佐藤さんはとても細かく説明をされていたのだと身に沁みました。

後で、自分なりに解釈したものを表に当てはめてみると…

男性(単数)女性(単数)男女複数
不定冠詞
(世界中にある中の一つ)
ununedes
部分冠詞
(数えられない名詞)
dude la
定冠詞
(共通認識、一般的)
lelales

こんな感じに分けれるのではないかと思います。

フランス語文法の一つに、話し相手がその物事を知っているのか?を考えながら冠詞を選ばなければいけないという決まりがありますが、

例えば「先週、結婚式に行ってきたよ!」

と誰かに話す場合、

mariage(結婚式)は男性名詞なので、

上の表中だと「un」か「le」を名詞の前につける事になります。ただ、話し相手が誰の結婚式に行ったかを知っている場合と知らない場合では、どちらを使うかが分れます。

(話相手が)誰の結婚式に行ったか知っている、
le mariage

まったく知らないのであれば、
un mariage

と冠詞を変えて伝えます。

「?」

最初は意味不ですが、そんなもんです。

話ながら慣れていくので焦らずに頑張ってみましょう。

【フランス語】単語は同じでも冠詞によって意味が違う

冠詞の使い分けは、場数を踏みながら慣れていくしか方法がないのですが、フランス語で身の回りすべての名詞を覚えるだけでも一苦労なのに、その名詞が男性系か女性系どちらに属している名詞なのかも覚えなければいけません。

例えば「リンゴ(pomme)」は女性名詞なので、la pomme と言いますが、le pomme といってみたり、名詞と冠詞の組み合わせを間違って使う、もしくは覚えていない事なんてしょっちゅうです。

リンゴの場合、冠詞を間違えても大体の人は分かってくれますが、単語の中には同じ書き方(または同じ発音)なのに冠詞のジャンルを使い分ける事で、まったく違う意味になるものが存在します。

フランス語の冠詞。男性名詞・女性名詞の使い分け

間違えて冠詞を使うと全然違う意味になる単語の一部です。

体格と物理学「physique」

体格と物理学「physique」

プラスチックと彫刻「plastique」

プラスチックと彫刻「plastique」

一周とタワー「tour」

一周とタワー「tour」

パテ・テリーヌと動物用の餌「pâté(e)」

パテ・テリーヌと動物用の餌「pâté(e)」

ベールと帆「voile」

ベールと帆「voile」

ケーキ型とムール貝「moule」

ケーキ型とムール貝「moule」

地位と郵便局「poste」

地位と郵便局「poste」

取っ手と袖「manche」

取っ手と袖「manche」

方法とモード「mode」

方法とモード「mode」


個人的に一番間違えたくない冠詞のジャンルはパテ「pâté」かな。

「私、パテ好きなんだよね」と言いたいところを、女性冠詞を使って言ってしまうと「私、犬用のテリーヌが好きなんだよね」の意になるので、フランス人に陰で笑われているかもです。

おわりに

フランス語文法は、この冠詞とか形容詞だとかが、名詞グループ一体となって男性系・女性系に連動してくるので非常にややこしいのです。英語だと「the」「a」「an」のようなものだけど、フランス語の冠詞はもっと複雑で日本語にはないシステムになっているので、ここを理解するのに非常に時間がかかってしまっいました。

この単語、leだっけ?laだっけ?と冠詞のジャンルで迷い、さらには、le っていうっけ?unっていうっけ?とシチュエーション別の使い方にいちいち悩んでしまうのがフランス語の苦労するポイントです。

正直、すべての名詞を男性名詞・女性名詞に分類しようと最初に考えた人をちょっと恨んでいるくらい苦手なのですが、かなり大事な部分らしいので慣れていくしかないのです。

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