フランスで大人気の食品ブランド「C’est qui le Patron?」って何?

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フランスで大人気の食品ブランド「C'est qui le Patron?」って何?

ソースが薄いとか濃ゆいとか、この料理にはこのワインが合うとか、オーガニック食品などに特にこだわりはありませんが、

ただ一つ気を付けている事は、

国産の食材を選ぶ、地場産のものを消費する。

そして、コマーシャルでバンバン流している商品は買わない事に決めています。

なぜなら中抜きがひどく、農家・農業従事者の方の取り分がわずかな額に抑えられているからです。

生産者の方の生活が少しでも潤うよう、

個人の消費者が出来る事はこれぐらいの事しかできないのですが、

今回は、日本にもあったらいいな…

フランスでの画期的な取り組みを紹介したいと思います。

フランスの食品ブランド「C’est qui le Patron?」

タイトルだけではなんの事か分かりずらいかもしれませんが、

「C’est qui le Patron? 」 とは、フランスで大人気の食品ブランドの事です。

直訳してみると「誰が社長?」

になりますが、

この食品ブランドが凄いのは、

消費者がすべてを決める権利を持っています。

大手食品企業との違いは?

「C’est qui le Patron? 」の最大の魅力は、

消費者が食品の値段や品質を決める、消費者が決定権を持つブランドだという事です。

消費者が商品の品質を決定する

たとえば、大人気商品「牛乳」の場合。

  • 生産者への報酬
  • 牛乳の生産国
  • 放牧期間
  • 乳牛に与える餌
  • 餌の原産地
  • 牛乳パックの仕様

これらの項目を消費者が投票し、実際に商品化されています。

各項目の詳細は、該当ページにあるプルダウンメニューからの選択式になっており、

  • 乳牛に与える餌は、遺伝子組み換え作物を使用するか、しないか?
  • オーガニックにこだわるか?
  • 餌は地元産を使うか?
  • 年間の放牧期間は最低どれくらい必要か?

こういった内容も消費者の投票によって決定します。
なので投票の結果によっては、必ずしもBIO「オーガニック」製品が出来るとは限りません。

C'est qui le Patron? の牛乳
C’est qui le Patron? の牛乳

ちなみに上にある写真は、C’est qui le Patron? の牛乳パック。

お値段は1Lで99サンチームです。

これは、大多数の消費者の好みで出来た牛乳のお値段

どの項目で何を選んだかによって販売価格が変わってきます。


ちなみに牛乳は、販売が開始されて2年半。

当初の販売予想を5倍以上!大幅に上回っている大人気商品です。

黒線が販売当初の予想、うなぎ上りの青線が実際の販売数を現しているもの。

広告費はゼロ!生産者への還元率が高い!

C’est qui le Patron? の最大の魅力は、 大手食品会社のような過大広告・宣伝をしていない事。

販売方法がとっても地味です。

下の写真はまだ頑張っている方で、通常は地味に並べられているだけです。

なので、その宣伝費用を生産者への利益に加算する事ができます。

牛乳パック1本の場合、税金を除いた売り上げの4割近く(39サンチーム)が生産者の取り分となっているのですが、 これはとても画期的な事!

従来の例だと、大手食品企業が酪農家に支払っている額は6~8サンティーム/1Lまでに抑えています…

もし C’est qui le Patron? の牛乳を購入すれば、妥当な額が生産者に支払われるシステムになっているので、こんな嬉しいことはありません。

これは【 自国の自給率を守る!農業従事者を支援するフランスでの取り組み「AMAPについて」 】
で伝えている内容ですが、生産物の価値が低くなりすぎて生活が困難になっている生産者が大勢いるからです。

酪農家の場合、店頭で売っている牛乳1パック(1L)で得る収入は、6~8サンティーム(およそ10円未満)、店頭価格の10%以下が酪農家の取り分となり、広告業・業者に支払われる利益が莫大になります。

【農業大国フランス】消費者と生産者をつなぐAMAPとは?より


AMAPって何?と思った方はこちらからどうぞ!↓↓

商品化したい食品は消費者が決める

どういった食品を商品化してもらいたいか?

こういったことも消費者が意見を出すことができます。

参加方法は1ユーロ支払うのみ。

1ユーロ以上支払う必要はありません。

1ユーロ = 意見

消費者の人が平等に意見を出し合うことが出来ます。

C’est qui le Patron? は株式に上場していないので、大株主の意見に左右されない所がいいですね。

あくまでも消費者目線で商品化が決定されます。

どんな人でも1人、1ユーロです。

2019年6月現在、これまでに商品化され店頭で販売されている食品は

  • チョコレート
  • 牛乳
  • バター
  • リンゴジュース
  • パスタ
  • 小麦粉
  • 赤ワイン
  • フロマージュ・ブラン
  • チーズ
  • ハチミツ
  • オイル・サーディン
  • イチゴ
  • サラダ
  • リンゴのコンポート
  • 牛ひき肉
  • ピザ


さらに企画中の商品は、こちらのページから確認する事ができますよ↓↓

https://lamarqueduconsommateur.com/produits/

C’est qui le Patronのまとめ

いかがでしたか?

画期的なシステム「C’est qui le Patron」

消費者のニーズに応えた商品作りもできるし、

生産者の人に多く還元する事ができる、フランスの大人気食品ブランドです。

いまでは、メディアがこぞって取材をしているし、

取扱い店舗が大型店だけでなく、コンビニのようなところでも比較的見つけやすくなってきたので、

派手な宣伝をしなくても知名度が上がってきています。

「C’est qui le Patron」板チョコ

値段はばっちり書かれていますが、日本にも持ち帰りしやすいものもあります。

お土産話ついでにいいかもしれません。

今回はフランスの生産者の話になりましたが、

日本の酪農家や農家なども同じ現状を抱えています。

牛乳の値段が、自販機で販売しているジュースより安くていいわけがありません…

こんなシステムが日本にもできてくれたらいいなと思います。


もう一つの画期的なシステム「AMAP」についてはコチラ↓↓

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