年々、巧妙化しているフランスのスリ軍団や詐欺師。
何かにつけてあの手この手で詐欺を仕掛けてくるので、外国人観光客はもちろん、フランス人も被害に遭う人が多いです。
このブログでは、
▼SNCF(フランス国鉄)とRATP(パリ交通公団)が2019年12月分の定期券の払い戻しを決定した時に即座に作成された偽サイトのお話や
▼フランスのスリ軍団やバカンス地で発生しているスリについて
こういった記事を紹介していましたが、
フランスに限らずどの国でも時事に絡めた詐欺が横行しています。
そして2020年3月8日付けで公表された、フランスの新型コロナウィル感染者は1126人。
イタリアの北部が閉鎖されたり、ヨーロッパ全体の感染者数が膨れ上がっているので、徐々に警戒をしている人も多いのですが、
なんか詐欺っぽいのが発生しそうだな…
と思っていてたら、
やっぱりコロナウィルス関連詐欺が発生していました。
今回は【詐欺】マスクを着けたら150ユーロの罰金!フランスで「偽」警官がパトロール
を紹介します。
コロナの感染拡大とフランスの法律「ブルカ禁止法」が絡み合った詐欺でちょっと特殊です。
【詐欺例】ウィルス予防でマスクを着けていたら罰金
フランスでマスクを着けて歩いていたアジア人学生が警官らに呼び止められ、150ユーロの罰金を科せられる「詐欺」が起こってます。
現在、新型コロナウィルスがヨーロッパで牙をむいているので、とても敏感になっている人も多いのですが、特に欧米で生活している中国の人は「ヨーロッパも中国のように感染者が爆発的に増えるから出歩くな!」 と自国の親や親友から警告されている人が多く、神経をすり減らしながら生活している人が多いと感じます。
そして、外出の時にウィルス感染予防の為に「マスク着用」を徹底している中国の方も多いです。
今回フランスで詐欺被害に遭ったアジア人とは中国人の方なのですが、
「マスクで顔を隠していた 」との理由で、偽警察にパトロールされ、150ユーロの罰金を科されています。
でもなんでマスクを着けたら罰金なのか?
その背景には、顔の一部・全部を隠したら罰金になる「ブルカ禁止法」というフランスの法律が関係しています。
顔を覆いつくす衣装で外出したら罰金になる「ブルカ禁止法」
北アフリカ出身の人が多く住んでいるフランスなので、ムスリムの女性が頭や体を布ですっぽりと覆って歩いている姿をよく見かけます。
「ヒシャブ」「ニシャブ」「ブルカ」など、頭と顔を覆いつくしてる範囲で呼び名が変わりますが、フランスには「ブルカ禁止法」といって、顔を覆いつくす衣装を着用し公共の場に行く事を禁止する法律があります。
なので「ニシャブ」「ブルカ」と言われる装いのまま外出した違反者には、罰金が科せられてしまいますが、
その罰金の最高額がちょうど150ユーロ(約1万8千円)です。
▼罰金の対象となっている装い、(左)ニシャブ・(右)ブルカ
Tunisia becomes the latest Muslim country to ban full-face veils for security reasons. Neighboring Algeria and Morocco already enforce such bans. Even in the West and India, a niqab or burqa has been used (including by men) to carry out a terrorist attack or to escape the police. pic.twitter.com/cMpwayknxa
— Brahma Chellaney (@Chellaney) July 6, 2019
ニカブは目の所以外を隠しているので、厳密に言うと布は顔全体を覆っていないのですが、罰金の対象となります。
現在、フランス在中国大使館が警告しているこの詐欺の例では、警察に扮した詐欺師達が「医療用マスクが顔の一部を隠している」事を指摘。フランスの法律に違反しているものとして、罰金を科してお金を巻き上げているのです。
▼ フランスで度々起こる「スカーフ論争」のまとめと「 ブルカ禁止法 」について
もちろん医療用マスクは違反ではない!
こじつけが凄い詐欺事例なんですが、
「ブルカ禁止法」の本当の名は「Loi interdisant la dissimulation du visage dans l’espace public( 顔を覆いつくして公共の場に行く事を禁止する法律 )」 です。ブルカの名前なんてかすってもいませんが、大体はイスラムの宗教衣装の事を指していると国民全体が認識している法律です。
なのでもちろん医療用マスクは違反ではありませんし、健康上の理由でマスクを着用して顔が隠れたとしてもなんの問題もありません。
まとめ
コロナウィルスが拡大する中、フランスに限らず欧米でマスクを着けて外を歩くアジア人は、距離をあけられたり、変な目で見られていました…
ウィルス予防にマスク着用がデフォルトになっているアジア人からすると当たり前の事でも、欧米人から見ると、マスクを着けている人は病気を持っていると認識されていたからです。
もちろんアジアの国々では予防の為にマスクをしていると知っている人もいますが、アジア人のマスク着用がウィルス予防に効果的だった事が少しづつ理解されてきた印象です。
少しずつ欧米でも「マスクでウィルスを予防できる」
この考えが浸透していってますが、
欧米人はマスクを使い慣れていないので長時間の着用は耐えられないだろうなと思います。
ただマスクを着ける前に手を洗う習慣がない人が多いので、マスクを着けても無意味な場合が出てくるかもしれません。
▼フランス人の衛生観念
▼参考サイト