サハラ砂漠からフランスに飛来する砂塵。空がオレンジ色になる気象現象

フランス現地情報

世界最大の砂漠「サハラ砂漠」

アフリカ大陸の約1/3の広さに相当する巨大砂漠なので、サハラ砂漠の砂塵がヨーロッパに到達する事は珍しい事ではありません。中国内陸部の砂塵が日本に飛来するように、サハラ砂漠の砂塵もアフリカ、ヨーロッパ、アメリカ、アジア…と地球規模で移動しています。。

砂漠の砂・砂塵は、深刻な健康被害を与えていたり、ただ迷惑なだけであったり、煙たがられている存在ですが、2021年2月のフランスでは、珍しい気象現象が幾度も複数の地域で起こり、住民を驚かせています。

サハラ砂漠からフランスに飛来する砂塵の影響

日本でも黄砂の影響で、福岡の空がオレンジ色になった現象がありましたが、フランスでもまったく同じ現象が起こっています。

2月のスキーバカンス中、ローヌ・アルプ地域に住む友人が、「2週間くらい前、空がまっ黄色でビックリした!!!サハラ砂漠の砂よ!!」と、興奮気味に話してくれました。

▼その時、たまたまいた場所がスキー場だったこともあり、「これこれ、この雪の上の茶色いのが全部そう!」と言って指さしてくれた時の写真です。

サハラ砂漠からフランスに飛来する砂塵の影響
雪の上の茶色い部分はサハラ砂漠から飛んできた砂塵

ちなみにこのスキー場は、ジュネーブから車で30分程度、GEXという場所にあるスキー場です。

空がオレンジ色になる珍しい現象が各地で起こる

フランスでも非常に珍しい気象現象なので、実際に空がオレンジ色になる現象を見た事がある人は少ないのですが、2021年2月のスキーバカンスシーズン中にはサハラ砂漠から到達した砂塵の影響で、2週間ほどの間に空がオレンジ色になる現象「phénomène de ciel jaune」が各地で出現しており、「世界の終りのようだ」と話す人がいるほど、現地に住む住人を驚かせています。


▼空がオレンジ色に染まる珍しい気象現象が各地で出現(2021年2月6日)

ル・ピュイ・アン・ヴレ(Puy-en-Velay)、ディジョン(Dijon)、リヨン(Lyon)、2021年2月6日の夜明け~午前中の様子。アルプス山脈からピレネー山脈にかけては、赤い砂塵が薄い膜で雪を覆っていて、白い雪山が砂漠のようにも見える。

「何が起こっているの?」「ここまで空がオレンジ色に染まったのは見た事が無い!」と驚く様子の人々。


▼※上の動画が見れない場合はこちらのリンクからも見る事ができます。

VIDEO. Météo : quand une tempête de sable colore une partie du ciel français en orange
Samedi 6 février, une partie du ciel de l’Hexagone a pris temporairement une couleur orange. Ce phénomène est le résultat d’une tempête de sable venue du Sahara...



2月6日から約2週間後、『サハラ砂漠の砂塵』が2度目の到来。コート・ダジュール(Côte d’Azur)は2月21日から3日間、空がオレンジ色に染まると警告。

▲(左)2月5日、(右)2月21日、ヨーロッパ上空を飛来していたサハラ砂漠の砂の比較。フランスは砂塵でほぼ覆いつくされているのが確認できる。そして、2度目の2月21日は、スカンジナビア半島にまで到達している。


コルシカ島、プロヴァンス地方、南アルプス地方では、砂や泥が混じった不安定な雨が降る事がありますが、過去にフランスで観測された堆積物の量について。コルシカ島の西海岸に壮大なフェーン効果をもたらした2004年2月21日の例では、コルシカ島の北西に位置するカルビィ(Calvi)という場所で積もった砂塵の厚さが2~4㎜に到達した事が記録されています。

この時の堆積物の量は、フランスだけでも200万トンと推定されています。

呼吸可能な微粒子…大気汚染度をチェック

上の図の赤い箇所のように、飛来している砂塵の濃度が濃いと、空気中に含まれる微粒子レベルも急激に上昇する可能性があります。

PM10やPM2.5など、人体に悪影響を及ぼすと言われている微小粒子状物質は、呼吸可能な微粒子の為、気管支に入りこむことができます。

フランスで住んでいる地域の「空気の質」を調べるには、アトモ・フランス(Atmo France)でチェックするといいかもです。

Carte France Indice ATMO | Atmo France

このサイトでは各地域の大気質指数を調べることができるので、オゾン(O₃)、二酸化窒素(NO₂)、二酸化硫黄 (SO₂) 、微小粒子状物質(PM10、PM2.5)などの大気汚染指数度と花粉飛来情報も知る事が出来て便利です。



▼フランスの花粉情報と花粉症対策について

【参考サイト】

C’est quoi ce nuage de sable qui touche la France régulièrement ?
Le nuage de sable de ce lundi devrait être moins visible que celui qui avait touché la France le premier week-end de février
Nouvelle remontée de sable du Sahara sur la France - Actualités La Chaîne Météo
Des voitures salies par des gouttes chargées de sable du Sahara, des ciels qui se teintent d'un gris jaunâtre et des capteurs de pollution qui relèvent un taux ...
Actualités météo: Nouvelle remontée de sable du Sahara ces prochains jours 20/02/2021
Un vigoureux flux de Sud va provoquer une nouvelle remontée de sable du Sahara sur tout le pays dès ce dimanche, avec des quantités remarquables voire exception...
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