フランスの「マスク配布」「公共交通機関でのマスク着用義務の注意点」について

法律関係・規則

フランス医学アカデミーの「無いに越したことはない」との発表で、マスクの配布が決まったフランス。

来週5月11日のロックダウン解除に向けて、マスク配布の準備が着々と進んでいますが、

私が住んでいる街の「マスク配布方法」と「マスク着用義務の注意点」。そして「今までフランス政府がマスク着用をお勧めしなかった理由」について紹介したいと思います。

フランスでのマスク配布は?

フランスの一部地域では外出時のマスク着用が義務になっていて、既にマスク配布済みの場所もありますが、

ロックダウン解除前(5月11日)までには、住民全員にマスクが行き渡るように準備真っ最中の自治体もまだまだあります。

フランスはマスクの在庫が全くなかったので、各自治体で洗濯可能なマスクの発注をしたり、整い次第、住民に配る予定ですが、

全国一律ではなく各自治体のやり方で行うので、

いつ配るのか?

何処で配るのか?

何をもっていけばいいのか?

など、まったく情報がなくて困っている方もいるのではないでしょうか?


外出制限中の規律違反などもそうでしたが、パリなどの大都市の事はバンバンとテレビで情報が流れるので把握ができますが、

その他の地域の事は情報として流れてこないので、ご近所さんに教えてもらって初めてその町独自の禁止事項がある事を知った。

という方も多くいます。


こういった緊急事態の場合は、

住んでいる地域の市役所のサイトを定期的にチェックしてみてください。

私も5月2日にサイトで見て確認できたのですが、

バッチリと情報が載ってました。

そして週末にポストの中を覗いてみると、市役所から「マスク配布案内」のお手紙も入ってました。


市役所からもらった「マスク配布案内」

マスクの配布方法と配られるマスクの枚数

配られるマスクの枚数は一人一枚。

洗濯可能なマスクなので繰り返し使用できます。

大人サイズと子供サイズが合って、3歳~9歳の子供の小さなサイズも用意できているようです。

私が住んでいる所では9か所の場所(学校と市役所)に分けて配布するので、指定された場所に取りに行く方法です。

配布時間は決まっていて、5月7日(木)、もしくは5月8日(金)の2日間のみ。

苗字の頭文字のアルファベットで受け取り可能な日付が違うので、

  • A~K⇒5月7日(9時~18時)
  • L~Z⇒5月8日(9時~17時)

忘れないように注意です。

受取の条件

  • 家族の代表で1人だけ
  • なるべく徒歩で
  • 外出証明書(2番目にチェック)を持参

受取に必要な書類など

  • 成人分の身分証明書(carte d’identité, passeport)
  • 住所証明書(電気・水道・ガスなどの請求書)
  • 家族の人数を確認できるもの(Le livret de famille)

以上が必要で忘れると受け取りが出来ないのだそう。

公共交通機関でのマスク着用義務の注意点

フランスでは5月11日にロックダウンが解除されるので、それ以降は外出証明書を持参する必要はなくなりましたが、

公衆衛生の非常事態宣言は7月24日まで延長しています。

移動は自宅から100キロ圏内フランス入国者は検査義務と2週間の強制隔離などの厳しい規定がありますが、

公共交通機関内でのマスクの着用も義務になりました。

マスクを着けていなかった場合は罰金の対象となりますが、

一つ変わる可能性があるのは、

今まで違反者の取り締まり(違反者に罰金を求める)が出来ていた人は、警察(police・gendarmerie)だけだったのに対し、

5月11日以降の公衆衛生上の非常事態宣言中では、セキュリティや無賃乗車を取り締まるコントロール隊などにも取り締まりの権限を与えるか?

国民議会で本日(5月4日、もしくは5月5日)可否を決める予定です。
↑決定しました(2019・5・9 追記)

もし決まれば、マスクの着用義務以外にも公衆衛生上の定義(他人との距離をあけないなど…)に違反した場合も罰金の対象となる事もあるし、

これを取り締まる権限のある人達が警察以外にも可能になるかもしれないので、常に注意して行動する必要があります。

なぜフランス政府はウィルス予防にマスク着用を推奨してなかったの?

「もし健康な状態ならマスクを着けなくても良い」と発表していたフランス政府。

フランス政府はウィルス感染予防にマスクを着用することを推奨していませんでしたが、

それはなぜだったのでしょうか?


以前のフランス政府の考えは、

マスクを着けているだけでウィルスの感染予防はできないとしていました。

当時のフランス政府がマスク着用をお勧めしていたケースは、

  • ウィルスに感染した人を看病している時
  • 咳・くしゃみが出ている時

この2つのケースのみで、マスクだけでウィルス予防は難しいと断言していたのです。

今考えてみると、国民全員に行き届くマスクの在庫が無かったからパニックを抑えるための嘘だったのではないか?

と、あまりの方向転換ぶりに思ってますが、

ウィルス感染予防の為にマスクをしている場合でも、マスクを手で触ったり、位置をずらしたり、つけたり外したりを繰り返している人は、マスクに触る度に手を洗わないと触った手からウィルスをもらうので、

頻繁な手洗いを徹底しないとマスクは無意味になる!

とおっしゃってました。



ただやはりマスクを着けた方がウィルス防げたかも…

と、欧米でも少しづつマスクの必要性が認識されつつあります。


マスクにはウィルスがみっしりついている場合もあるので、耳にかける紐部分をもって捨てる。捨てた後も手洗いを徹底。

そして使い終わったマスクは密閉タイプのゴミ箱に捨てないと、そこにもウィルスが付着するので注意。

とマスクに慣れていないフランス国民に向けて、マスクを利用する時のイロハがフランスのメディアからも情報が発信されていました。

2020年5月11日からフランスではロックダウンが解除されますが、第二派を警戒しながらも段階的に日常生活に戻れるように対策を取っている最中です。

マスクもその対策の一つですが、

欧米人がマスクを着けだした瞬間、感染者数の傾向に変化が見られたら「ウィルス予防にはマスクが重要」と世界中の人々が再認識するのではないかと思います。