2020年3月14日、夜19時30分、フランスの感染症流行の警戒段階が「ステージ3」に引き上げられました。
マクロン大統領の時は事前にテレビ演説が行われると前もって知っていたため、気持ちの準備期間があったのだけれども、昨日(2020・3・14)のフィリップ首相が「突然」発表した追加対策は、発表後の約4時間後、午前0時から措置が実施され、現場はかなり混乱した状態になっています…
↓下は、マクロン大統領のテレビ演説の告知を知らせるツイート
▼【緊急情報】フランス時間の明日、3月12日 20時にマクロン大統領の声明がテレビ放送されます。 (2020・3・11追記)
2020年3月14日、フランスの感染症流行の警戒段階が「ステージ3」に引き上げ
▼3月12日のマクロン大統領のテレビ演説、フランス滞在中の日本人の方に影響がでそうなポイントのまとめ記事
フランスでも 薬局・食料品店・郵便局・銀行・ガソリンスタンドなど除き営業禁止
国民生活に必要のない場所、一般市民が出入りするすべての場所での営業が禁止されました。
2020・3・15現在の情報では、この措置は4月15日まで。
ただ、レストランなどを経営していて、持ち帰りサービスを行っている場合は、レストランは営業中止だけど、配達サービスは続行可能です。
国民生活に必要のない場所はすべて営業中止と発表はされましたが、
電子タバコの店は開く予定なんだそう。
あと、パン屋さんは開店していたので、とりあえずパンは今までの通りに買えそうです。
▼ 【緊急情報】 フランスでも… 薬局・食料品店・郵便局など除き営業禁止に (2020・3・14追記)
今回フィリップ首相が発表した措置の主な目的は、人々の接触と移動を最小限に抑える事、
そしてサロモン保健総局長が発表した、感染が疑われた時に服用すると感染悪化も考えられる抗炎症作用 がある薬の注意です。
- 外出は必要最低限に抑える(食材などの買い出しなど)
- できるだけ在宅勤務にする
- もし通勤が必要ならば1メートル以上他人と距離をあける
- 都市間の移動は避ける
- イブプロフェンなどの服用は(コロナウィルスの)症状悪化になるので利用を避ける
▼【フランス】自宅待機中の便利情報。モノプリ・フランプリの無料配送サービス、オンライン学習サイト無料開放、薬の服用、旅行キャンセルなど…
マクロン大統領テレビ演説前のフランスの状況
(ここからは 2020・3・14以前の記事です↓↓)
バカンス明けの2日目(2020年2月25日)、中国本土・香港・マカオ・シンガーポール・韓国・イラン・イタリア(ミラノのあるロンバルディア州・ ベネチア のあるベネト州)からフランスに帰国した子供は、帰国から14日間学校に行ってはいけないという通知を受け取りました。
私が住んでる地域では2月8日~2月23日までの2週間がバカンス期間だったので、このお休みを利用してイタリアへ旅行に行った人も多かったのだろうと思いますが、子供と同じクラスの子供と先生も同様。
バカンス滞在中のイタリアでは新型コロナウィルス感染者が爆発的に急増し、いくつかの街が封鎖された事を受けて、フランス政府は【フランスに帰国して14日未満の児童・生徒は学校に行かないように】 と勧告。
なのでイタリア旅行に行ったクラスのお友達も自宅待機、先生も無症状だけど自宅待機。
けれども…
同じ小学校に通うお兄ちゃんは登校…
お兄ちゃんはイタリア旅行に同行しなかったから学校に通えて、イタリア旅行に行った妹は自宅待機。
でも同じ屋根の下で暮らしているから「そんなの意味なくね?」 と多くの親が思ってますが、
ウィルス感染拡大のスピードが速くて、状況に応じた対応が間に合ってないのだろうなと思ってます。
日常生活への影響といえば、マスクが売り切れていたり、ナンシーなどの一部地域では殺菌ハンドジェルなどの抗菌ローションが不足している事。
中華街に人はいなくなり、中国人相手に儲かっていた高級ブティックの売り上げが落下している事。
そして残念ながら、アジア人差別がちょこちょこと発生している事。
ただ近所のスーパーに買い物に行っても、日用品を買い占めをしている人は見ないし、私自身がアジア人差別されたこともありません。
しかし衛生観念が乏しい人が多い国なので、
トイレの後でも手洗いしない人や、同じティッシュで繰り返し鼻をかみ、使用済みのティッシュをポケットに忍ばせてる人を見ていると、
コロナウィルスでなくともウィルスは簡単に感染してしまうよね…
と思う今日この頃。
▼フランス人の衛生調査についてはこちら
今回は【警戒段階ステージ2】新型コロナウィルス、フランスへの影響は?について、フランスの感染症対策について紹介します。
新型コロナウィルス感染が拡大しているフランス、影響は?
フランスの現地情報を知りたい方も多いと思いますが、
今の時期、旅行には不向きです。
なぜならフランスは、感染症流行の警戒段階が「ステージ2」に引き上げられました。
ちなみにステージは3までなのですが、中国武漢市のようにウィルスが国内に蔓延した状況になると、ステージ3に引き上げられ、人の移動に制限がかかります。
2020年3月2日現在のフランスは「ステージ2」。
ステージ2では感染拡大を防ぐ(遅らせる ) 事が最大の目的になるのですが、 ステージに合わせた措置が取られます。
フランス政府のスポークスマン Sibeth Ndiaye は「フランスでステージ3は避ける事ができないと危惧している」とも発言しています。
▼ 感染症対策の一つ。感染症の予防法がコマーシャルの間に出てきます。
※鼻水マークの所、一回分はティッシュ1枚で使うと書いてあります。フランスのティッシュは分厚く強度があるので、何回も繰り返し使う人が多い。
フランス地域別、コロナウィルス感染者数のマップ
2020年3月4日、16時。フランス国内の感染者数は285人。
警戒段階ステージ2の感染症対策「可能性があるもの」
- 医療関係者の人員確保
- 公共交通機関の利用制限、もしくは停止
- 学校の閉鎖
- 幼い子供がいる施設や老人ホームなどへのアクセスの制限
- 大規模な集まりや集団活動の制限
ステージ2の主な対策は、集団感染を防ぐ事が大事になります。
今現在、既に措置が取られているものもありますが、これからも新たな対策が取られる可能性がでてきます。
感染症対策は、特に観光業やイベント開催には大きな影響を受けますので注意してください。
医療関係者の人員確保
コロナウィルスに感染しても必要な検査してくれない…
重症化しないと病院が見てくれない…
と思うかもしれませんがフランスでの対応も日本同様です。
これは医療関係者の人員を確保するための対策の一つになるのですが、症状が酷い・重症化している人以外は、極力自宅で回復を待つように指示をされます。
なぜならステージ3になった時には、公的・私的医療機関で働く人、専門家、在宅ケア・ヘルプサービス従事者など、医療関係者をすべて総動員して対応して重傷者患者のケアに集中しなければいけないからです。
学校の閉鎖
冒頭でも紹介したようにフランスではいくつかの対象国(中国・韓国・シンガポール・イタリア・イランなど)から帰国した人は、14日間自宅待機するように勧告されています。
特に子供は一日中マスクをつける事が難しいとの理由からこれは絶対です。親は学校に連れていくことができません。
また感染者の多いオアーズ県の9つの自治体やモルビアン県などの保育園・幼稚園・小学校・中学校・高校なども2週間閉鎖しています。
老人ホームなどへのアクセス制限
今のところ、各施設の判断にまかせられてますが、
入館の際は、熱を測る・殺菌をする・記名をする。
こういった制限をかけている所もあります。
「大規模な集まりや集団活動の制限」5000人以上集まる場所の閉鎖
展示会や美術館・博物館、コンサート会場で行う研修やサロンなど、限られたスペースに大勢の人が集まる場所の制限。
そしてスポーツ大会のように大勢の人が集まって一緒にアクティビティを行う集団活動も対象となっています。
「限られたスペースに5000人以上集まる場所」 での催しにキャンセルの勧告がでています。
▼世界一訪問客が多いルーブル美術館。
こちらには既に影響がでていて、今回の措置に該当する場所ではないか?との事から閉鎖しています。
フランスでは、命に差し迫った危機や自分の健康に著しいリスクを伴う恐れがある場合、業務を拒否できる権利あるので、特に政府が措置を取らなくても、今回のルーブルのように従業員が集まらずに閉鎖になる場合もあります。
ルーブル美術館の閉館の他にも、 大型のイベントも延期・キャンセルされています。
- 44000人のマラソンランナーが参加する、パリ・ハーフマラソンの延期
- パリのポルト・ド・ヴィルサイユ で行われていた国際農業見本市の最終日(日)
- 同会場で行われる予定だった「 SALON BODY FITNESS 」の延期
今後もこういったイベントの中止や美術館の閉鎖があり得るかもしれません…
▼撤退の権利について詳しくは
対策強化「5000人→1000人以上の集まりや集団活動の禁止に。」 (追記2020・3・10)
集団感染予防の措置強化のため、1000人以上の集まりや集団活動の禁止に制限されました。
多くの航空会社やフランス国鉄が予約・購入済みチケットのキャンセル・変更を受け付けていたり、コンサート会場のイベントも続々とキャンセルされています。
▼一方のルーブル美術館は… 3日間閉館したのちに開館。入場制限があります。
NEW! 100人以上の集まりや集団活動の禁止に強化中(2020・3・13追記)
公共交通機関の利用制限、もしくは停止(追記2020・3・3)
公共交通機関について、2020年3月3日現在の所、運行状況に変更はありませんが、
バス・高速など公共交通システムを運営する私営会社のバス運転手達もルーブル美術館職員同様、すでに撤退の権利(droit de retrait )=業務拒否を行使しています。
今朝もRATPセキュリティ部門の50人くらいの職員が殺菌用のアルコールジェルを入手するまで、業務は再開されませんでした。
その他にもパリで利用者が多い駅(シャトレ駅・北駅・サンラザール駅) なども限られたスペースに5000人が集まる場所ではないのか?などの協議も行われているし、
RATP(パリ交通公団)は政府の勧告に従うとしつつも、組合側は、乗務員への感染拡大を防ぐために十分な措置が無ければ、撤退の権利(droit de retrait )のリスクは増えるとしています。
▼自宅待機中の便利情報。
▼参考サイト