デモ隊がルーブル美術館の入り口5つをすべて封鎖。観光客激怒

ストライキ・デモ

フランスでは年金改革に断固反対する為にデモやストライキが続いています。

今までの抗議活動は、街を行進して訴えるとか広場に集まりマクロン政権の年金改革を断固反対するといったものでしたが、

しかし2020年1月17日(金) 、

100人前後のデモ隊が、

ルーブル美術館の入り口5つをすべて封鎖し、

観光客の入場を妨ぎました。

こんな事が起こったのは初めてで、

当日ルーブルに入場できなかった観光客の怒りはもちろん、フランス国内からも痛烈な批判がでています。

ルーブル美術館がデモ隊に封鎖される


▼インタービューに答える観光客の人々とCGT-Culture(←デモしてる人)


ルーブル美術館は世界で最も入場者数が多い美術館で、年々ここを訪れている人が増えています。

なのでルーブル美術館を訪れる時にはチケット購入時に日時の予約が必要で、これがないと最悪入場できない場合があります。

ほとんどの場合、予約済みのチケットを持ってルーブルを訪れる人が多いと思うのですが、


ルーブル美術館の公式サイトにも何の情報もなく( 何の前触れもなく )、突然入り口が封鎖されてしまい、ほとんどの観光客が中に入れませんでした…


▼朝10時頃、たった30人のデモ隊の為に何千人もの人が足止めに…


2019年10月24日~2020年2月24日の4か月は史上最大の「レオナルドダヴィンチ展」 も開催しており、中には数か月前から特別展の予約をしてたのに入れなかった観光客も大勢いました。


▼詳しくは、【ルーブル美術館の予約は「ほぼ必須」。モナリザへのアクセスは別途予約が必要 】 より


ルーブルはチケットの払い戻しを申し出ましたが、

ルーブル美術館に来るために何千キロも離れた国から訪れる人など、

滞在費や移動費を支払っている人たちの費用は戻ってきません。

しかもルーブルの本サイトでは「レオナルドダヴィンチ展」 の予約はすでに一杯で、空きがありません…

特にガラスのピラミッドのメイン入り口には30~40人前後のデモ隊しかおらず、何とかならなかったのかなというのが正直な感想です。

当日のルーブルの対応はデモ隊がいなくなれば午後に再開しますというものでしたが、結局午後も閉館されてままでした。


本日は1月18日(土)なのですが、

今のところ昨日と同じような抗議活動は予定されてないとの事です。


▼デモ隊は複数の労働組合から成り立ってましたが、その中の一つ CGT Culture

ルーブル美術館が突然、閉館・閉鎖する場合

上で紹介したように、突然デモ隊がやってきて入り口を防ぐ以外にも封鎖の理由としてあり得る事をまとめてみました。

デモ・ストライキ

一つは、デモによる影響が一番大きいです。

ルーブル美術館はフランスにあるのでデモの影響をもろにうけます。

2018年末に黄色いベスト運動全国に広まった時には凱旋門が被害に遭いましたが、ルーブル近くの「 チュイルリー庭園の門 」も壊されてしまったり、文化遺産でも問答無用に破壊する人がいますので、被害を最小限に防ぐためにルーブルが閉館します。

ルーブル以外にもオルセー美術館とかエッフェル塔も閉鎖したのですが、もちろんその他の美術館やパリが管理している文化遺産・遺跡ものきなみ閉館しました。


2018年12月に黄色いベスト運動のデモが激化した時に閉館した美術館・博物館のリスト

パンデミック

二つ目は、世界的に疫病が流行している時(パンデミック)

この記事を更新しているまさに今(現地時間2020・3・1)起こっている事ですが、フランスではコロナウィルスに感染した人が100人になりました。

フランスでの感染拡大を防ぐために、

「限られたスペースに5000人以上集まる場所」 での催しなどをキャンセルするようにと厚生省が公表した件について。

ルーブル美術館も今回の対処に該当する場所であるため2020年3月1日(日)に閉鎖しています。

業務拒否「撤退の権利」

最後にもう一つルーブルが突然閉館してしまう事があるとするのなら、それはフランス労働法「撤退の権利」が行使される時だと思います。

ルーブル美術館なので身の危険を感じる事はないかもしれませんが、2020年のコロナウィルス流行時のように、業務を続ける事で、感染力の強いウィルスなどが自分に感染してしまうリスクが高い場合、例えば、不特定多数の人と関わる窓口・案内・受付などで働く人は、これを理由に業務を拒否することができます。

健康のリスクが強く懸念される場合は実行できる権利です。

突如ルーブル美術館が閉館してしまう2つ目の理由のように政府が閉鎖を通達しなくても、ルーブル美術館のような訪問客の多い美術館で働く人々は、 自分の健康リスクを考えて仕事をしないと決めても妥当です。

実際にエールフランスはこれが理由で、乗組員が集まらず中国本土行きのフライトを一時停止しました。


フランス労働法「撤退の権利」 について詳しくはこちら