(アイキャッチ画像 ijmakiによるPixabayからの画像)
コロナを持ち込むな!
国に帰れ!
すれ違いざまに暴言を吐かれたり怒鳴られたり…
そこまではいかなくとも、ジロジロ見られ距離を置かれたりして、居心地の悪さを感じた海外在住の方もいるのではないでしょうか?
以前のように外を出歩けなくなったり、嫌悪感をもたれているかも…と怖くて外出頻度を少なくしている方も多いかもしれません。
世の中まともな人だけではないし、頭のおかしな人もいるので、個人を攻撃の対象としているような醜いニュースも見かけるようになりました。
欧米だけでなく、程度の差はあれど世界中で起こる事なのかもしれないのですが、無差別に人を物のように殴りつける、特にお年寄りなど、圧倒的に弱い立場の人を標的にしてる奴らが許せんのです。
通りすがりに襲ってこられたら事前に防ぐ事は難しいし、運が悪ければ何時、被害者の立場になるかもわかりません。
しかし、インターネット上での脅迫・暴力・差別的な書き込みは、制裁を下せる確率が上がります。
暴力で威嚇する奴らは、まとめて地獄に落ちて欲しい!
今回は、SNS上で攻撃的な人種差別コメントを見た時のベストな対処法を確認しておきましょう。
SNSで攻撃的な人種差別コメントを見つけたら、一つずつ根っこから潰す
コロナウィルスが拡散し始めてから、フランスでもアジア系の住民を狙った暴力や暴言は問題になっています。
一番記憶に残っているのは、2020年10月28日(水)に2度目の外出制限措置を再発動する旨をテレビで発表した直後、アジア人に対する差別的行為を呼びかけるような複数のコメントがSNSで拡散された事です。
▼在仏日本大使館から受け取ったメール(11月2日)
新型コロナウイルスの発祥と結びつけるなどして,アジア人に対する差別的行為を呼びかけるSNSが拡散しているという報道がなされています。
コロナ禍や連続するテロにより、フランス社会におけるストレスや不安感が全体的に増しており,先週から再開された外出制限により、人通りも減っております。犯罪に巻き込まれることのないよう,日頃より情報収集を行い,また,外出の際は身の回りの安全に十分注意して行動してください。
アジア人に対する差別的行為に関するSNS拡散(注意喚起)
個人の方もこのニュースをSNSで拡散していたので、恐怖を感じた方も多いのではないかと思います。
書き込みの中には、
「漫画を見るのを辞めてキレ長い目のアジア人狩りをしよう。犬を食べる黄色い奴は絶対に許さない」
など…
日本の漫画を持ち出すな!
と思うような、日本と中国の文化を混同してるコメントも見つかりました。
実際、寿司屋さんも被害に遭った事があるので、日本の文化を中国由来だと思い込んでいる人もチラホラ。こういった人は、中国人と他国出身のアジア人の区別がつくわけなどないし、2世や3世の存在も思いつかない人なので、数々の暴力的な発言は海外に住むアジア人全員に対しての威嚇になります。
しかし不幸中の幸い、フランスの場合、複数の団体が素早い行動をとってくれたおかげで、私たちがニュースを知る頃には差別的な書き込みが全て排除。国も素早く動いてくれて、一部の犯人逮捕に繋がりました。
▼SNS発信から4か月ちょっとで5名がスピード出廷。他2名も告訴!この5名は20~25歳の学生だった。

SNS上で攻撃的な人種差別コメントを見つけた時の対処法
アジア人コミュニティに対する憎悪や暴力を呼びかける、挑発する行為は立派な犯罪なわけで、そういった犯人のコメントは、報告しながら消していく、これがベストな方法なのだと思います。
今回の逮捕がきっかけで、これが暴力的な差別排除に有効手段であるなのだと思い知りました。
違法行為をフランス政府に報告しコメントを消す方法
フランス内務省はインターネット上の違法行為を通報するシステム「PHAROS」を設置しているので、ここから違法行為を報告する事ができます。
▼赤色の「REPORT」ボタンから、ネットを利用している際に遭遇した違法コンテンツや行為を報告することができます。
「PHAROS」に報告できる違法行為には…
サイト、ブログ、フォーラム、チャット、ソーシャルネットワークなどすべてが対象です。
▼そしてもう一つ大事なこと。それは、違法行為を含んだ書き込みをネット上で見つけても「3つのダメ」を守る事です。
▼「PHAROS」について
積極的に差別と闘う団体に報告する
下で紹介するアジア系団体やユダヤ系団体の他にも、人権連盟など、差別と日々戦っている団体に報告する事もできます。
- le Mouvement contre le racisme et pour l’amitié entre les peuples
- Sécurité pour Tous
- la Ligue internationale contre le racisme et l’antisémitisme (Licra)
- la Ligue des droits de l’homme (LDH)
- le Mouvement contre le racisme et pour l’amitié entre les peuples (MRAP)
- SOS-Racisme et Vigil’Ances
▼「la Ligue internationale contre le racisme et l’antisémitisme (Licra)」、コメントを見つけた翌日に提訴&削除依頼。
※Licraは、外国人排除・人種差別・ユダヤ人差別に反対している活発な団体。
La @_LICRA_ saisit la justice pour que cessent ces appels à la haine contre les personnes d’origine asiatique. Ces comptes doivent être signalés et fermés par @TwitterFrance de toute urgence. S’il y a des morts ou des blessés, chacun devra assumer son inaction ou sa complicité ! https://t.co/l9Sy0RpBYf
— Licra (@_LICRA_) October 29, 2020
▼l’Association des jeunes chinois de France (AJCF)を含む、主にアジア系の46団体が構成している「Sécurité pour Tous」。暴力反対デモを行ったり、代表がテレビに出演し、PHAROSのプラットフォーム上に人種差別的な投稿を報告するように呼びかける。
※AJCFは中華系の団体
危機が迫った時の中国人の団結力と行動の速さは見習わなきゃと思う。 https://t.co/Eh0JUdVN06
— mousouadvisor (@mousouadvisor) November 1, 2020
▼「私たち2世は、次世代のアジア系フランス人がより良い条件で暮らしていけるようにしなければなりません。」とfacebookに投稿した「Sécurité pour tous」代表 Sun-Lay Tanさん
おわりに
お金を持っている・大人しい・提訴しない・主張しない・弱そう…
フランスでは、2016年に中国人男性が路上で殺されたことがきっかけで、反アジア人種差別の問題が公になりましたが、現地の生活に必死に溶け込もうとしてるアジア人の存在は、軽く見られすぎているような気がします。
Sécurité Pour Tousの代表は、アジア系の人々が法廷で争うケースが少ないことを強調していて、被害届・提訴のガイドを作成している途中なのだそうです。
今回は、フランスでのベストな方法を紹介しましたが、きっとお住いの国にも類似の団体やツールがあると思うので、確認しておくとよいかもです。