【フランス】外出禁止令が響かない→強化された罰則が採択。2度目の規則違反で逮捕される人が発生

法律関係・規則

Photo by Anna Vander Stel on Unsplash

新型コロナウィルスの影響で、中国同様、外出に厳しく制限をかけている国が増えています。

私が住んでいるフランスでも2020年3月17日から、最低2週間(一応)の予定で自由勝手に外を出歩くことができなくなりました。

生きるためにどうしても必要な買い物(食料品・薬など)、診察・犬の散歩・健康維持の為の単独スポーツ・裁判所からの呼び出しなどは禁止措置に含まれないけれど、それ以外の用事でお出掛けしているところをパトロール中の警察に見つかると38~135ユーロ(約4千5百円~1万6千円)の罰金を払わなくてはいけないと決められた。(当時、現在は変更有)

「不要不急」の外出は禁止になった!

危機管理ができる人たちは、最低2週間の外出禁止と言われれば、プラス1~2週間くらい余分に自宅待機をしたり、自主的に感染リスクを避ける行動をとれる人が多いと思いますが、

それにしても、

まったく危機感がなくて、

外出制限措置の規則を守れない人のニュースを沢山みる。


危機感がないのはヨーロッパのラテン人もだけど、アメリカのフロリダのビーチにいたパリピもなかなかであった。

一応は非常事態宣言が出ている国なのに。。

3月19日のフロリダのビーチの動画↓

Spring Breakers Flood Florida Beaches, Undeterred by Coronavirus
Crowds of spring-breakers and party-goers continue to crowd beaches in parts of Florida despite rising cases of coronavirus infections stateside. Florida Govern...

最初っから厳しめの規則と罰則がないと従わない

各国の首相や大統領が外出禁止措置を発表しているにも関わらず国民に響いていない…

フランスだけでなく、イタリア、スペイン、アメリカと、コロナウィルスの感染拡大が爆発的に広がっているのに、街角で雑談したり、無観戦試合なのにサッカーのサポーターが2000人くらい終結したり、今必要があるのか分からないデモをしたり、弾けていたり…


【スペイン】 バレンシアvsアタランタ のチャンピオンズリーグにて。 競技場の外に2000人のサポーターが終結


何もなかったようにグループで出かけていた人々の姿を見ると、ほんとにアホなんじゃなかろうかと思う。

危機感よりも情熱だけが独り歩きしているのではないかとニュースを見ながら思っていた。


フランスでは1回目のマクロン大統領のテレビ演説とフィリップ首相が発表した追加措置で、学校が閉鎖になり、 国民生活に必要のない場所、一般市民が出入りするすべての場所の営業が禁止、そして在宅勤務が進められた。

不要不急の外出は控えて!」「人との接触と移動は最小限に抑えるように!」 と国民に向けて話していたんですが、それでもその週末の近所の公園は、子連れで遊びに来ている人で一杯になっていました。

日本でも学校が閉鎖されてしまったのに公園が人でいっぱいになったとニュースで見たのだけれど、何のために学校が閉鎖されているのか理解できてない人が多いと思う…

ただ非常事態宣言をして、国民に外出を呼びかけるように説明しても、それは一方的に宣言しているだけであって「すべての国民」に響いていない。

罰金などの厳しめの罰則を最初から決めとかないと、すべての人が規則を守ってくれないのです。

太陽があるとお出掛けしたくなる

しかし、お天気の良い日はカフェのテラス席がすぐ人でいっぱいになったり、公園が人で溢れかえり、太陽を思う存分楽しむ人が多いフランス。

天気が良い日は人の動きが活発になるんですが 、これはコロナウィルスが拡大している現在でもその傾向が強いようです。


2020年3月15日(日)のセーヌ河沿い、公園もこんな感じで一杯だった。


今の所パリでは、こんな感じになってます。

外出控えてと国民に呼びかける (3/12~3/14)

天気がいい (3/15)

公園に人が殺到する(3/15)

人が来ないように公園を閉鎖する (3/16)

マクロン大統領がお怒りのテレビ演説で外出制限措置を発表する。違反者には罰金 (3/16)

天気が良い(3/17~19)

セーヌ川沿いや森の散歩道には、移動中の証明書(※)を持って散歩している人がいる

森・セーヌ川の川沿いの道・アンバリッドの広場・エッフェル塔前の公園などを閉鎖すると発表(3/20)

各地でも公園・森・健康器具がある公園・スポーツ競技場などが続々と閉鎖中

(※) 一応、健康維持の為、ジョギングやサイクリングなど単独のスポーツに出かける事は許されていました。ただ外出の申請書「証明書」が必要。


天気が良いと人が動く→規制強化を繰り返してます。

またパリの主要駅では週末にTGVを利用して地方に向う人のパトロールも行われています。

まだまだ人で溢れているマルシェ

パリの有名な観光地などパトロールが強化されている場所には、人が一切いない写真も報道にはありますが、まだまだ人が集まっている場所は沢山あります。

スーパーなど食料品などは生活に欠かせない場所なので、入り口に行列ができていたりしますが、スーパーの場合、入場制限がされているので、店内にいる人の数を把握しながら混雑を避けているところがほとんどです。

しかしフランス名物のマルシェの場合…

スーパーよりも対策が遅れています。

区によっては、販売者とお客さんとの距離を保つことができるように柵を置いて対策を取っているところが報道されていますが、

まったく対策が取られていない場所もあります。

ベルヴィル のマルシェ(3/20)

中国のようなストイックさが無ければ、欧米での感染者数は増えるのみ

中国のコロナウィルス新規感染者数が「0」もしくは減少したとの発表によって、いくつかの地域では外出禁止令が解除されました。

6週間の自宅軟禁だった間、自宅から一歩も出ずに、宅配で食材を仕入れていた中国の人たち。

宅配されたものはドアの外側に置いてもらい、配達の人との接触を避けたと言っていたのですが、中国くらいのストイックさがないと、ウィルスを封印することはできないと思います。

これ以上感染者数を増やさないためにも自宅に残る事が大事なんですが、イタリアの違反外出者が5万3千人、フランスの違反者が4万人もいたというニュースをみて今日もがっくり。

「中国のコロナウィルス対策はストイックすぎるよね 」

と暢気な事を言っているフランス人もいますが、あんまり暢気すぎるとヨーロッパは陸続きなだけにウィルスも侵入しやすく、永遠の負のスパイラルが広域に拡大していきます。(もう拡大している最中ですが…)


ちなみに

2020年3月22日現在のコロナウィルス感染者数

イタリア【 59,138 人】
フランス【 16,018 人】

フランスの感染者数の推移はイタリアに似ていて、10日後には今のイタリアと同じくらいの感染者数になるだろうと予測されています。

しかし、ちょうどその10日後あたりがフランスの外出禁止令の解除日(最短の場合2週間の予定)になるし、パリに住んでいる子供たちの春バカンス1週間前になるので、外出禁止令は【延期】されること間違いなしです。

↓↓

Italy COVID - Coronavirus Statistics - Worldometer
Italy Coronavirus update with statistics and graphs: total and new cases, deaths per day, mortality and recovery rates, current active cases, recoveries, trends...

規則強化がすすむフランス。 【違反外出】を繰り返した人には最高6か月の刑期

規制を守らず外出を繰り返す人には、罰金!

マクロン大統領の2回目のテレビ演説で罰金額は38ユーロ~135ユーロ。

と言ってましたが、

違反外出者があまりにも多く、【違反外出】を繰り返している人も出てきました。

なんで、より強固な規則が国会で採択されました。

かなり厳しいです。

一度目の違反…135ユーロ

もし最初の違反から「15日以内」に2度目の違反が見つかった時…1500ユーロ

もし最初の違反から「30日以内」に4度の違反が見つかった時

この場合は違反ではなく「犯罪」扱いになるので、3700ユーロの罰金と6か月の刑期


2020年3月22日、国会で新しい規則の改正が採択されました。 しかも一度目の違反で支払いが遅れると375ユーロまでになる事もあり。

既に2度目のペナルティで逮捕者あり

2020年3月22日に新たに採択された「罰則」

かなり強固なものになっているので、外出の申請書を何度も見直したくなる内容なんですが、実はすでに逮捕者がいます。

このあたらしい「罰則」が決まる2日前に、 Bruay-la-Buissièreという街で逮捕者がでています。

不思議ですよね。

しかも4回目ではなく、2度目の違反外出で拘留されてます。

逮捕された男性は、もしかすると15000ユーロの罰金と1年の刑期になるかもしれないと報じられていましたが…

なぜ捕まってしまったのかというと、ベンチ付近でグループで固まって話しているところが見つかり、その上、実は前日にも「正当な理由なしの外出」で罰金を支払っていた「違反外出」を繰り返していた人だった事。

そして「安全な距離を保たず、意図的に他者を危険にさらしている行為」をしているとして捕まっています。

男性は外出の申請書を持参(運動にチェック)していたようですが、グループで近距離で話していると罰金を払わなければいけません。


この男性のように規則違反か違反でないかの微妙なラインで警察とのゴタゴタに巻き込まれるのも面倒だし、どんな理由をつけて違反切符を切られるかもわかないので、あえてトラブルを起こしに外に出たくないと思う人がほとんどではなかろうかと思うのだけれども…

外出の際には必ず一人で、正しく記入した外出申請書と身分証明書、仕事に行く人はさらに出勤証明書を持たないと大変なことになります!


▼参考記事

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