(アイキャッチ画像 Image par Lisa Redfern de Pixabay)
熱々の白いご飯にかけたくなるもの、それは「生卵」ですよね。
納豆+生卵+ゴマ+小ねぎを醤油と混ぜてご飯と一緒に食べるの大好きなのですが、卵かけご飯のようにフランスでは生卵をダイレクトに食べる習慣がありません。
日本ほど生卵を活かした料理はないですが、でも実は、フランスの一般家庭でも半熟・生の状態で卵を消費する機会は結構あるのです。
例えば、ピザの上に卵をのせて半熟状態で食べたり、ティラミスや自家製マヨネーズを作る時は、火を通さずクリーム状に仕上げていくので、新鮮な生卵が必要です。
▼朝食には「Œuf à la coque」。半熟卵に塩を入れてパンを浸しながら食べる。
フランスのスーパーでは、卵パックが山積みになっているので、何を買えばよいのか?何をチェックすればよいのか?迷った事がある方もいるのではないでしょうか?
今回は、いつ何時でも美味しい卵が食べれるように、新鮮な卵の買い方をチェックしてみましょう。
新鮮で美味しい卵の選び方。フランスのスーパーでココをチェック!
昔、日系の食材店で「生で食べてもOK」と書かれていたパック入り卵を発見しましたが、フランスではどうやって新鮮な卵を見分けているのだろう…
と不思議で不思議で仕方ありませんでした。
とりあえず私の場合、生卵を使いたい時は、BIO(オーガニック食品)とか、赤ラベル(Label Rouge)認定の卵を選んでいました。
ちなみにですが、赤ラベル(Label Rouge)とは…
超優良品質を保証したマークの事で、フランス政府が認証したものを言います。
▼赤ラベル(Label Rouge)マーク
▼卵売り場は広く種類が豊富。沢山ありすぎてどれを選べばよいか正直わからないので、とりあえずは赤ラベルマークがついたパックを買う人も多いはず。
ちなみにフランスの卵、全体的にお値段が高めです。
12個入りで2ユーロ以下の卵は、なんだか怪しい雰囲気がでているので、大体4ユーロ弱のパックを直感で選んでいます。
そうすると1パック約480円なんです。高いですよね。
▼赤ラベルマークがついていなくても、卵パックに鶏が外をうろついてる写真を選ぶと、卵の値段が割高になります。
とりあえず「BIO」「赤ラベル(Label Rouge)」のマークが表示されたものを買うと、良いお値段になるのですが、お値段だけでは卵の品質が分かりづらい時もあります。
実は、フランスの卵パック。マークに頼らずとも卵を見分ける重要なチェックポイントが表示してあるんです。
フランスの一般的な卵パックの見方
先ほどの卵パック写真で分かってしまう情報をチェックしてみましょう。
①PLEIN AIR (放し飼い) | コード「0」「1」のものだけが卵パックに表示できる。鶏の放し飼い写真可 |
②Catégorie | A=消費者向けの新鮮な卵、B=食品・非食品業界を対象に出荷される卵 |
③産卵日 | 1月26日 |
④消費期限 | 2月23日 |
⑤卵の情報 | (左から)0~3=飼育環境が選別できるコード、FR=生産国、OPF=飼育場所、01=建物の番号 |
⑥卵の大きさ | S,M,L,XLの4サイズ |
ここで一番大事な情報は⑤の卵の情報なのですが、写真では一番左の数字が「1」となっています。
これはどういった意味を持つのでしょうか?
上の写真のように情報が分かり易く表示されていない場合もあるので、次ではちょっと分かりづらい卵パックに遭遇した時の見極め方も含めて紹介します。
フランスの卵の質を卵パックだけで見極める
フランスではコロナが拡大した第1回目の外出制限時に卵が品薄状態になり、いつもは見かけない24個入りの卵パックを見かけるようになりました。
その時の卵パックの写真が以下の2つです。
▼例えば、フランスのマークがついただけの卵パック①
とりあえず卵はフランス産なんだなという事がわかります。
▼もしくは「PLEIN AIR」と記載されたシンプルな卵パック②
ココからの情報は、屋外で飼育されていた親鳥から生まれた卵、そしてMサイズだという事です。
情報がちょこっとだけなので、鮮度が良いのか悪いのかもわからない卵を24個も買うのは勇気がいりますよね…
当時はチョイスが無かったので、買うしかなかったのですが、こういった時に困るのは、この卵は半熟で食べれるのだろうか?という疑問です。
しかし、よくよく目を凝らしてみると、とてつもなく大事な情報がこのパッケージには隠されているのです。
フランス産卵の鮮度の見分け方。印字されている数字で飼育環境を見分ける
新鮮な卵を見分けるのにどうしたらよいのか?
実は、鶏の飼育環境を示す「0~3」までの数字が卵、もしくはパッケージに印字されているので、ここから大事な情報を得る事が出来るのです。
▼さきほどの①の例。赤枠内、下から3行目。3=Cageの文字が該当箇所。
フランス産だけれどもストレスマックス状態で生まれた卵で、ケージの中で飼育された鶏から生まれた卵です。
▼②の例。赤枠内、上から3行目。1=PLEIN AIRの文字が該当箇所。
屋外で飼育された放し飼いの鶏の卵である印です。
この場合、質と鮮度の良い卵は「1」なのですが、「3」の卵と食べ比べると驚くほど違いが分かります。
親鶏の飼育環境と卵の品質を示す「0~3」までの数字
赤ラベルマーク「1」よりもさらに高水準で鶏を飼育している「0」なるコードも存在する、卵の品質。
コード | 親鶏の飼育環境と卵の品質 |
0 | 有機卵:屋外で飼育、放し飼いの鶏から生まれた卵(有機農法) 餌:100%植物性、ミネラル、ビタミンの飼料、95%以上が有機栽培の原材料 ※農薬、遺伝子組み換え作物、抗生物質を使用していないことが保証された飼料 屋外環境:1羽あたり最低で4m²必要。有機農業の原則に基づいて管理された農場限定 鶏小屋:6羽/1m²の床面あたり 鶏舎の規模最大3,000羽の鶏を収容できる その他:卵パックに「PLEIN AIR(放し飼い)」と表示することができる |
1 (赤ラベル) | 有機卵:屋外で飼育、放し飼いの鶏から生まれた卵(有機農法) 餌:100%植物性、ミネラル、ビタミンの飼料、50%以上が穀物 ※農薬、遺伝子組み換え作物、抗生物質を使用していないことが保証された飼料 屋外環境:1羽あたり最低で5m²必要 鶏小屋:9羽/1m²の床面あたり 鶏舎の規模:最大6,000羽の鶏を収容できる建物2棟 その他:卵パックに「PLEIN AIR(放し飼い)」と表示することができる。1日2回手で卵を回収 |
1 | 屋外で飼育、放し飼いの鶏から生まれた卵。 餌:100%植物性、ミネラル、ビタミンの飼料 ※抗生物質を使用していないことが保証された飼料 屋外環境:1羽あたり最低で4m²必要 鶏小屋:9羽/1m²(4段まで設置できる) 鶏舎の規模:なし(30万羽まで可能) その他:卵パックに「PLEIN AIR(放し飼い)」と表示することができる |
2 | 監禁状態の鶏から生まれた卵。 餌:100%植物性、ミネラル、ビタミンの飼料 屋外環境:なし 鶏小屋:9羽/1m²(4段まで設置できる) 鶏舎の規模:なし(30万羽まで可能) |
3 | 監禁状態の鶏から生まれた卵。 餌:100%植物性、ミネラル、ビタミンの飼料 屋外環境:なし 鶏小屋:13羽/1m²(ケージに入れられている) 鶏舎の規模:なし(30万羽まで可能) |
上の表を見て分かるように、コードの数字が高くなるほど、親鶏の生育環境が極めて悪くなります。
▼下のショックな映像はコード=3の中でも劣悪な飼育環境。ここにいる鶏は1年間に265個の卵を産み(普通は平均で170個)、鶏肉の値段も1キロ3ユーロまで安くなります。フランスで販売されている卵の9割はこのコード「3」で広く流通しています。
【参考サイト】
おわりに
昔、すき焼きを準備して、お肉を生卵にタップリと浸した食べ方を披露したら、義理家族に引かれましたが、すき焼きに使用できる生卵を選ぶなら、間違いなく「0」、もしくは「1」のコードが表示された卵に限ります。
▼今回は、卵パックだけで卵の質を見分ける方法を紹介しましたが、卵の情報は卵にも直接印字されていますよ。
あと補足になりますが、フランスのスーパーでは卵が割れている事が多々あるので、購入する前に中身チェックをおすすめします。