ネットで検索してみたら、
パリジェンヌのお洒落術、パリジェンヌのスタイルブック、パリジェンヌの着こなし術、パリジェンヌの定番服、フランス人のファッションに学ぶ…
こんな感じでパリジェンヌのファッションについて、どさどさと素敵なワードがでてきますが、
もしかしてフランス人がお洒落だとおもってませんか?
雑誌に出ている「街角おしゃれスナップ 」は、モデルさんとかファッション関係の人や、おしゃれな専門職の人達ばかりで、
一般人ではありません。
イネス・ド・ラ・フレサンジュのように洗練されたファッションに身を包むマダムが、いたる所でお茶をしているわけでもありません。
日本の雑誌でパリジャンと紹介されてる人たちは、ショー帰りのモデルとか、メゾンで打ち合わせをしてたスタイリストなど、撮られるべくして撮られた人ばかりです。
もしかしたらパリジャンでさえない可能性も濃厚です。
フランスに住み始めた当初から一般人のお洒落度数は、フランスよりも日本の方が高いと個人的に思っていましたが、
今回はなかなか衣服費に予算が回せないフランスの「おしゃれ事情 」についてお伝えします。
「フランス人は10着しか服を持たない」は本当か?
「フランス人は10着しか服を持たない」
という大ベストセラーの本をご存知でしょうか?
フランスの貴族の家にホームスティした元カリフォルニアガールが書いた本です。
本の中では、季節ごとに10着の服をチョイスし、質のよいものを取り入れる・自分のスタイルを見つける事で、あえてクローゼットの中をシンプルにすることが紹介されているのですが、
日本ではこの本に感化されてしまって、余分な服を断捨離している人もいます。
私の周りにもセレクトショップで働いていた元同級生が高い服を捨てていました。
でもフランス人がそんな勿体ない事するのか?
と私は思うのです。
捨てるんではなくて、 Vide-Grenier(ガレージセール・フリーマーケット)や boncoin(個人のものを売るサイト)を活用するんではないかと思うんです。
実際のフランスの生活は、この本に書いてあるようにキラキラしたものではなく、もっとシビアで、おしゃれ代はかなり控えめです。
みんなサイフの紐が固いのです。
「フランス人は10着しか服を持てない 」が正解
フランス人は10着しか服を持たない…
この本が広く知られた事で、
フランス人っておしゃれで、流行に左右されない、着回しが上手、物を大事にしている、自分のスタイルを見つけている。
とカン違いしている人もいるかもしれません。
でも私はこういったステキックスな理由よりも、
もっと単純に、
フランス人は10着しか服を持てないのではないか?
そう思ってます。
フランス人はおしゃれ代が控えめ
フランス人のおしゃれ代はとっても控えめ。
天下のマリ・クレールさんも、
1ヶ月のショッピング代はお給料の5%を超えてはならないとおっしゃってます。
実際にセールでまとめて買い物をする人が多いですが、
例えば1600ユーロのお給料の人が実際にショッピングできる一月の予算は、80ユーロの計算になります。
フランス人の実際のおしゃれ代「お給料の3,7% 」
しかし本当の事をいうと
フランス人のおしゃれ事情はもっとシビアです。
1991年では、世帯収入額の6,7%
2005年では、世帯収入額の4,7%
そして2016年ではまた少し下がり、世帯収入額の【3,7%】の費用がファッション代に充てられている事が分かりました。
だんだんとファッションにかける割合が少なくなってますね。
1年間の平均ファッション費用
ちなみに国民一人当たりの平均予算はこんな感じになるそうです。
- 洋服代…536ユーロ
- 靴代…132ユーロ
ヨーロッパでは最下位層のおしゃれ代
ちなみにフランス人の1年間のおしゃれ代
上で紹介したように服・靴代を合わせたトータルおしゃれ代が、668ユーロ(約8万円) なんですが、
この金額は世帯収入の3,7% の費用を、フランス人平均のおしゃれ代(1人当たり ) で計算したものなんです。
数字だけではいまいちわかりづらいので、その他ヨーロッパ国々の平均おしゃれ代と比較してみましょう。
ヨーロッパ各国のファッション費用(世帯収入の割合)
ヨーロッパ全体のおしゃれ代(服・靴代)平均は世帯収入の【 4,9% 】
フランスは 3,7%なので平均から2~3割ほど下回っています。
エストニア・ポルトガル・イタリアの国が、イギリスやドイツよりも衣服代をつぎ込んでいる事がわかります。
フランスはギリシャと同じくらいなんですね。
- エストニア… 6,8%
- ポルトガル… 6,3%
- イタリア… 6,2% (1061ユーロ)
- オーストリア… 6,1%
- イギリス… 5,6%
- ドイツ… 4,5% ( 855ユーロ)
- スペイン… 4,4%
- ギリシャ… 3,7%
- ルーマニア… 3,4% (2015年調べ)
なぜフランスは、こんなにおしゃれ代が低いのか?
なぜこんなにフランスはファッションにお金を掛けないのか?
というと、
多くの人がモードに興味がないと答えているからです。
実際にStatistaがとったアンケートでは「70%の人はモードに興味がない」と答えてますよ。
そして「全体の25%の人はまったく興味がない」とも答えてます。
北イタリアのミラノのように身なりやファッションが命とも言える場所とちがって、フランスはそこまでおしゃれじゃない人が多いです。
おしゃれじゃない・ファッションに興味がない、それで洋服を買わない理由もありますが、
フランスでは、住居費(家賃・電気代・ガス代・水道代)にかかる費用の割合が年々増えてきて、ファッションに捻出できる費用が落ちています。
近年の生活費の高騰が、思うように洋服が買えなくなってしまった大きな理由です。
大型スーパーやファストファッションで服を買う
一月の洋服代に換算すると、6600円程度になるんですが、
一体どこで洋服を買っているのでしょうか?
実はフランス、ヨーロッパの中でもスーパーの衣料品市場で服を購入しているのが多い国です。
特にハイパーマーケットと言われる場所で、衣料品を購入している人は8%(2017年)もいるので、
そんなにおしゃれに興味がない人が多いのも頷きます。
その他にも、
- ルクレール( Leclerc )
- カルフール( Carrefour )
- デカトロン(Decathlon )
- キアビ( Kiabi )
- ジェモ( Gémo )
- プリマーク( Primark )
ザラやH&Mなどのファストファッションよりもさらに安いメーカーが多数存在してますよ。
フランス人に最も人気なのはデカトロン(スポーツ用品)のような、良い品を安く買えるお店です。老若男女問わずに品ぞろえのある店はお客さんで一杯です。
もちろん日本のユニクロも大人気で、ユニクロのお店もバンバン展開中。
フランスでのユニクロはファストファッションというよりも、シンプルでよい質のものが安く買えるといった立ち位置で、決してファストファッション扱いではないかな、といった感じです。
フランスには高級ブランドから庶民派ブランドまでの幅が広くチョイスも多いので、ファッションに興味のない人はあえて高いお金を出して購入する必要はないかもですね。
ちなみにフランスで高級ブランド物を大量買いしているのはバブリーな中国勢で、現地の人はブランドにこだわりがない人がほとんど。
私が住んでいる場所も、治安もいいしパリに近い所なのに、ファストファッション以外の洋服屋さんが定着しません…
雑貨屋さんも激安ショップの「Action」、可愛くて安い「HEMA」が大人気です。
▼可愛くてプチプラ商品が多いHEMAはフランスでも大人気!
まとめ
実際に街を歩いていて、
オシャレ―、カッコいい―
と振り向く人はそんなにいませんが、
フランス人のスカーフの巻き方はかなり手本になります。
個人的には若い世代の方よりも、洗練されたフランスマダムの着こなし術の方が好きなので、そちらを参考にしてます。
ちなみに
- コスメや美容院にかける美容代は1年で443ユーロ(約53000円)
- 宝石・時計類は103ユーロ(約12400円)
なんだそうです。
ちなみに実際のフランス人のお洒落度を知りたい方は、インスタで(#parisiennestyle)チェックするとそれに近いものがでてきますよ。
【参考サイト】 https://bfmbusiness.bfmtv.com/entreprise/pourquoi-les-francais-depensent-moins-que-tous-leurs-voisins-europeens-pour-s-habiller-1341630.html