フランス流、赤ちゃんの鼻洗浄テクニックと間違いだらけのキネテラピー

ハウツー

海外で生活をしていると、その国ならではのトラブル解消法が存在していて、本当にこれでよいのか自問する時ってあるのではないでしょうか?

特にお子さんを育てている方は、医者の意見にも「本当にこれでいいのかな?」と疑問を持つことがあると思いますが、その直感って実は当たっている事があるのです。

今回はフランスのママンがやっている「赤ちゃんの鼻づまり解消法」についてと、気管支炎手前にまで悪化した場合にフランスでおすすめされていた「la kinésithérapie respiratoire(赤ちゃん用のキネテラピー)」について紹介します。

赤ちゃんの鼻水の取り方。フランス流の鼻洗浄テクニックが強すぎる

赤ちゃんは自分で鼻をかむことができないので、夜、寝苦しそうにしていたり、鼻で呼吸が出来ずにミルクを上手く飲めなくなった姿を見ていると、何とかして助けたいと思いますよね。

フランスでは耳鼻科に行きたくても予約は直ぐに取れないし、住んでいる場所によっては小児科も全然空いていないので、お医者さんに診てもらうまでは自宅で対処しないといけませんが、

こんな時、フランスのママンはどうやって赤ちゃんの鼻水をとっているのだろうと思いませんか?

実はフランスでは、赤ちゃんが風邪をひいて鼻が詰まると、大きな病院でも、一般医からも、助産婦さんからも、必ず「お鼻の掃除をしてあげてね」といわれるので、

赤ちゃんの鼻が詰まり苦しそうにしていたら、鼻洗浄をするのが一般的なんですが、

とある鼻洗浄法が激しすぎて、日本人ママにとっては見ているだけでも辛いかもしれません。

赤ちゃんの鼻水を全部出し切る「鼻洗浄法」(動画)

(2分40秒~、鼻水が沢山詰まった赤ちゃんに鼻洗浄をしてます)

Moucher efficacement un bébé, DRP efficace, enfant enrhumé. Astuces. Comment faire un lavage de nez?

生理食塩水を使った鼻洗浄(鼻掃除)のやり方

  • 赤ちゃんの体を横向きにする。
  • 顔を横に向けて動かないように片手で抑える。
  • 鼻の片穴(上になる方)に生理食塩水を入れ、下の片穴から鼻水を出す。

※動画の中では、口を閉じさせると鼻水が沢山出やすくなると解説されていました。
※大体、鼻の片穴に生理食塩水を1本使いますが、動画では2本ずつ使用しています。

動画にある通り、この生理食塩水を鼻の片穴にブシューと入れて、反対側の穴から鼻水を出す方法なのですが、赤ちゃんはギャンギャン泣いています。

私の姉はこれに似た動画を見て「絶対に出来ない!」と言ってましたが、フランスでは普通にこの方法で鼻洗浄するんです。しかも、朝・昼・晩、寝る前に一日に何回かします。

我が子の顔を動かないようにギュッと抑え込み、鼻の穴に水を入れる行為自体がとても罪深く、やっている方も辛いんですが、 

ミルクが飲みやすくなったり夜の寝つきがとてもよくご機嫌になるのも確かで、少し月日が経つと自分から生理食塩水を探しに行くようになります

鼻洗い法が年々激しくなっていて乱暴気味。赤ちゃんが可哀そうになる

ただ動画を久しぶりに検索して思ったのは、十年前に長男を出産した時に教えてもらった方法よりも、今のやり方の方が激しくなっているように思えるのです。

優しめの鼻洗浄法(動画:4分50秒あたり~)

Quand et comment moucher bébé?

私が10年ほど前に教わった方法は上(↑)の動画と全く同じで、私はこの洗浄法をしてましたが、最近のものは激しさが増しています。

半分イジメに見える。激しい鼻洗浄法(動画:2分10秒あたり~)

Le lavage de nez, la bronchiolite, l'asthme chronique de nourrisson bébé et enfant

ザ・フランセーズがまくしたてるように解説しているように聞こえますが、これも普通の話し方です。

上の動画では、続けて2本の生理食塩水を入れた後に、赤ちゃんがギャン泣きする瞬間を見計らって、口と片方の鼻の穴を閉じています。そして3分27秒くらいからただ単に口を〆るなど辛すぎて見れない域に到達しており、そこからキネテラピーに突入激しい状態が7分頃まで続いています…

異国での初めての出産。こういった鼻洗浄+αの仕方を医療従事者から当然のように教わると「えっ…」とビックリしますが、違和感を感じたら辞めていいんです。実際にこの領域になると怒りだすお母さん方も出てきます。

鼻水には菌やウィルスが大量に含まれるので、鼻水を出す事で風邪の治りも早くなり、鼻詰まりの辛さも減らせるので赤ちゃんにとって鼻洗浄は有効です。ですが、赤ちゃんにとって辛すぎるものは却下してもいいと思います。

赤ちゃん用のキネテラピーは行かなくて良い

そしてフランスのママンや医療従事者の間で賛否両論なのがキネテラピーです。

先ほどの3つ目の動画の後半部分も赤ちゃん用のキネテラピーなのですが、赤ちゃんがとっても苦しい思いをする割にはメリットが何もないのです。

キネテラピーの参考動画(↓)

La kinésithérapie respiratoire pour soulager la bronchiolite de votre bébé par Harmonie Mutuelle

赤ちゃん用のキネテラピーとは、呼吸が楽になるように行う運動療法の事だそうなんですが、真上の動画で見て分かる様に、赤ちゃんの口から出てくる淡をとるためだけに行う苦しいマッサージのようなものです。

家の次男が1か月~1か月半ごとに気管支炎のような症状が繰り返し出ていた頃、緊急病院の担当医や小児科の先生から繰り返しキネテラピー(La kinésithérapie respiratoire)に行くように何度も言われていたのですが、最初のセラピーを受けてみて余りにも酷かったので辞めました。

「淡が詰まって苦しい状態だからキネに行きなさい。楽になるよ」と説明された割には、単に子供が首を絞められていたようにしか見えなかったのです。(担当のババアは本当に首を絞めていた。)

恐ろしい話、当時はキネテラピーが推奨されていた療法だったのですが、今でも紹介状を書いている医者もいると思います。

なぜならフランスでは2019年末にキネテラピーを推奨する事はなくなったものの、療法自体はまだ存在していて、沢山の専門療法士がいるからです。

なぜ気管支炎の一歩手前でこのキネテラピーを受けないといけないのか謎なんですが、気管支炎のようにウィルス、または細菌が原因で淡が絡み呼吸が難しくなったケースでもキネテラピーを進めてくる医者はいます。

意味不なので、もしそういった診断書を受け取っても無視をするのが一番良いです。

おわりに

私は医療従事者ではないのですが、赤ちゃん用のキネテラピーは素人から見ても危ないのではないかという療法です。

療法士によってはやり方が違いますが、首のところまでギュッと絞めてくるのでお勧めはしません。

鼻洗浄も人によっては抵抗があるかもしれませんが、スプレータイプでシュッと簡単に鼻を洗ってくれる製品もあるので、お子さんが辛くない方法を試してみるのもいいかもしれません。鼻水吸引よりもポピュラーなので実はこれが一番おススメです。

スプレータイプ

※生理食塩水「Sérum physiologique」は家に一箱常備しておくと便利です。鼻掃除用として大人も使えるし、目の洗浄や傷口を洗い流すなどにも使えます。

生理食塩水「Sérum physiologique

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