フランスに限らず、
ヨーロッパのスリや詐欺軍団は、巧妙かつグループで静かに襲ってきます。
被害件数は恐ろしいほど多く、
フランス在住の日本人ならば、周りにスリ被害にあったお友達が少なくとも一人や二人はいるんではないでしょうか?
パリのエッフェル塔やルーブル近辺の有名観光地、そして地下鉄などでは、スリや詐欺師が観光客をねらっているイメージがありませんか?
ほぼそのままのイメージで間違いないんですが、 スリには親元がいたり組織化されているのでとっても悪質です。
過去には、あんまりスリが多いので、一時エッフェル塔が封鎖されてしまった事もありますよ。
La Tour Eiffel fermée pour cause de pickpockets par @AFPgraphics #AFP pic.twitter.com/WR4EYpU24N
— Agence France-Presse (@afpfr) May 22, 2015
▼スリ被害に遭いそうになった方が、実際の現場を動画に納めています。
アンケートを装って、あわよくばリュックから貴重品をすろうとしている最中。(ルーブル美術館付近)
ロマ人のスリ軍団。
「あ~、アソコにいるね~」って、
とても分かりやすいですよね。
動画に書いてある通り、やり方がとっても雑です(笑)
スリは単体とグループがあって、グループの中では役割が分担されています。
- 見張り役
- 視界を遮る役 (被害者・他の通行人からの)
- 話を振って注意をそらす役
- 実行犯役
上のスリ動画みたいに、とても分かりやすい雑なグループだったら警戒はしやすいですが、
▼一方、中にはこんなプロ軍団もいます。
スリに遭っている瞬間をとらえた動画(ロンドン)
こんなグループだったら絶対に気づく自身がないです…
でも、
スリに遭うのは観光客ばかりでなく、もちろんフランス人も被害にあいます。
フランス人を狙っている場合は、もう少し手口が巧妙化してきます。
バカンス中のフランス人を狙うスリや詐欺師
スリや詐欺は、何時でもいたる所に散らばっています。
普段は、十分に警戒している人でも、
バカンス中であれば、ちょっとした隙が出てしまいます。
詐欺師はそこを突いてくるんですが、
今年(2019年夏 ) 、バカンス地で発生している詐欺案件は独特です。
クレジットカード端末機を隠し持っている
コートダジュールのビーチでは、クレジットカード端末機を隠し持っているスリがるようです。
狙いは「非接触決済ができるクレジットカード」
スリはビーチで寛いでいるターゲットを見つけると、真横にシートを引きバカンス客を装います。
そして、気づかれないようにクレジットカード端末機をこっそりと設置すると、
ある程度距離を取りながらでも、決済が完結することもあるそう。
この手口は、満員電車など人が込み合う時間帯の列車内でも実行可能なんだそうで…
ちょっと怖いですよね。
【追記】実際に2021年、モンペリエのトラム内で現実になりました。
「非接触決済クレジットカード」を狙った詐欺。
— mousouadvisor (@mousouadvisor) May 19, 2021
前は南仏のビーチにいたのだけど、最近は公共交通機関の中にも犯人はいるらしい。
最近のクレジットカード端末機は小さい(携帯の半分サイズ)ので、ギブスをしているように見せかけ、中に端末機を隠し持ってたり…
現行犯逮捕が難しいのだそう。
【参考】https://www.lemessager.fr/25372/article/2021-05-17/paiement-sans-contact-attention-cette-escroquerie
この非接触型のカードを使えば、フランスでは 1回につき30ユーロ(2021年5月現在では50ユーロ)の限度でクレジットカードの暗証番号を入力せずに決済する事ができます。
1日に使用できる限度は4回まで、5回使用すると次回は通常通り、暗証番号を入力しなおす必要があります。
なので、もしカードを落としたり、このような手口を使われてしまうと、簡単に最高150ユーロを引き出す事が出来ます。
俳優顔負けの演技をする詐欺師
そしてもう一件、こちらも現在進行形で発生している詐欺被害。
2人組の詐欺師は、フランスを旅しているアイルランド人を装っていて、
「お金・貴重品・携帯・証明書など、なにもかも盗まれてしまった!」
とスリにあった被害者を装い、高速のパーキングエリアにいる人に助けを求めます。
実際に2人が乗っている車はアイルランドのナンバーで、右ハンドル(フランスは左ハンドル)。
なので助けを求められた人は、いくらかのお金を出してしまう人が多いようで、
被害にあった男性は、170ユーロを貸す形で渡してしまったようです。
この案件は、 ローヌ・アルプ地域の高速サービスエリアやパーキングエリアで多発しているんですが、
一時期パリでもアジア人の女性を狙った、同じような手口の詐欺が流行っていました。
私は事前に話を知っていたので被害は免れましたが、詐欺師は紳士的でスーツをかっこよく着こなしていた自称イタリア人のデザイナーでした(笑)
片言のフランス語を使って、
「スリに遭ってしまい財布を無くしてしまったところ。展示会場がある南フランスまでのガソリン代を出してくれるか?フランス人は冷たくて相手にしてくれないから困っている。 」
「必ず返すから目的地までのガソリン代や高速代を貸してほしい!! 」 と、自身のポートフォリオを見せながら悲願された事がありますが、あれは俳優そのものでした(笑)
フランスでスリに遭わない対策は?
フランスでスリに遭わない為の対策、
一番いいのは「バックは前」です。
バックもきっちりと閉めていた方が無難です。
その他にも、
- 知らない人に声をかけられたら、バックに手を添える癖をつける
- 地下鉄や電車では携帯電話は使わない
- 携帯は服の外側ポケットに入れない
- 誰かがピタッっとついてくる気配があれば距離を置く
- 貴重品は分散しておく
結構、スリ対策ができます。
そしてどんなスリ被害が報告されているのか?
大使館のサイトをチェックするのもいいです。
▼フランス大使館に寄せられた「被害者からの手紙」
盗難に遭った場合の対応
フランスにある日本大使館のサイトでは、
「 盗難にあった場合の対応 」を詳しく書かれています。
旅券の盗難紛失は、 直ちに大使館に連絡する。
( 在フランス日本国大使館電話番号:01-4888-6200 )
そしてクレジットカードの停止手続き、警察への被害届、緊急でお金が必要な場合の対処なども説明されています。
参考サイト:
https://www.francetvinfo.fr/decouverte/vacances/vacances-les-arnaques-de-l-autoroute_3568175.html
https://www.capital.fr/lifestyle/faut-il-se-mefier-de-larnaque-a-la-carte-sans-contact-a-la-plage-1346965