今や世界で最も有名な逃亡者となったカルロスゴーン。
まるでハリウッド映画のような逃亡劇で世界中がビックリしましたが、
次回の会見(2020年1月8日 ) で何をメディアに語るのか?
その内容が気になるところです。
とにかく彼はパスポートを携帯しているので、レバノンを出国しようと思えば出国できる状態なのですが、
フランスでは「もし逃亡中のカルロスゴーンがフランスに来たらどうなるのか?」について盛り上がってますよ。
逃亡中のカルロスゴーンがフランスに来たら?フランスの反応は?
まずフランスの反応について。
フランスの反応で一番ホットなのはコレです。
↓↓
Renault Trafic Renault Captur Renault Evasion
実はカルロスゴーンが 会長兼最高経営責任者 を務めていたフランスの車メーカー、ルノーの車種の中には、
- Renault 「Trafic」
- Renault 「Captur」
- Renault 「Evasion」
この3つのラインナップがあり、
上から訳すと
- ルノー「不正取引」
- ルノー「捕らえる」
- ルノー「逃走」
なので、
ルノーの車種名が、元最高責任者の現状をそのまま伝えている「まさかの顔ぶれ 」 になっていて話題です。
▼至る所でこのコメントのような反応が相次いでますよ。
Renault Trafic, Renault Captur, Renault Evasion#CarlosGhosn #Renault #Japon
— Arnaud MOUILLARD ✊✊ (@ArnaudMouillard) December 31, 2019
via @DidierBidaux pic.twitter.com/zrimPq7NGm
そして、私の周りの話をすると、
カルロスゴーンが日本で拘束された当初は、
「なぜ日本で捕まったのか? 」
「 彼がどんな不正を日本でしたのか? 」
というよりも、
カルロスゴーンが日本という孤立した島で拘束されたことに興味がある人の方が多かったように感じます。
中には不正はないけれども「政府ぐるみの大きな組織の罠にはめられちゃった 」と考えていた人もいました。
富裕層には「かわいそうね 」
労働層には「もうフランスに帰ってこなくていいよ」
くらいの反応でしたが、
フランスでも徐々に疑惑が報道され始めると「不正はあったよね」という確信に変わっていった人が多いような気がします。
そして今回の逃亡劇が報じられた後、会う人会う人「 必ず映画化されるよね」 と話していますが、
多分、本当に映画化されそうな気がします。
フランスのモンド紙の情報で、 Netflix でドキュメント制作されると聞いてワクワクしている人が多かったように思いますが、 「Netflix 側はゴーン氏とは契約していないらしい 」 のです。
契約内容がバレたら時期的にいけないのか?契約自体がなかったのか?どちらが本当なのかわかりませんが、
ゆくゆくは映画化されそうな気がします。
Carlos Ghosn intéressait déjà Netflix et Hollywood avant sa fuite https://t.co/24nDIUrIN3
— Netguide (@netguide) January 3, 2020
カルロスゴーンがフランスに来ると「逮捕」される
日本で報道されている内容では、
「もし、カルロスゴーンがフランスに入国しても日本に引き渡さない」
と発言した フランス経済・財務副大臣の言葉が引用され 目立っているように感じます。
すべてのフランス人同様「日本に引き渡さない」宣言している フランス経済・財務副大臣パニエルナシェさんの動画
↓↓
ですが、
もし彼がフランスに戻りたくても戻れない理由。
それはもちろん世論もありますが、
カルロスゴーンが実際にフランスに入国した場合、とりあえず事情聴取されるために「逮捕」される可能性があります。
なぜなら彼はフランスで2件の汚職疑惑があり訴えられている件もあるので、予備捜査もしくは司法調査を受けていますよ。
なのでフランスに戻ってきても訴訟が待っています。
もし、カルロスゴーンがレバノンに残りフランスに戻らないとしても、
フランスの調査官はレバノンに渡り聴取することも可能です。
カルロスゴーン、フランスでの汚職疑惑とは?
カルロスゴーン汚職疑惑の数々。
- 予備捜査が始まっているもの
- 訴えられているもの
- 金融検察局が捜査に出ているもの
- 真っ黒なオランダの子会社
こちらもで疑いがでているものは山盛りです。
ベルサイユ宮殿での「お誕生日会」「 結婚披露宴 」
一番有名なのはやっぱりベルサイユ宮殿での「お誕生日会」 と「 結婚披露宴 」ではないでしょうか?
特にこの2つのソワレに関して、2019年3月に予備捜査が始まってます。
▼下の動画は2014年3月に開催されたお誕生日会
表向きには、日産とルノーのアライアンス15周年を祝って開催されてパーティですが、リストに載っていた招待客達は、カルロスゴーンとかなり親しい人物ばかりで、ルノー・日産の締結パーティとは 全く関係なかった事が指摘されてます。
この催しには 63万ユーロ(約7600万円)以上をオランダの子会社「ルノー日産BV」が支払っています。
▼もう一つは2016年10月に行われた妻キャロルさんとの「結婚披露宴」
これも同じくベルサイユ宮殿で行われた披露宴。
披露宴会場となった「 大トリアノン宮殿 」 を借りるには5万ユーロ(約600万円)相当と言われてますが、彼は一円も払っていません。
ルノーとベルサイユ宮殿の間には「mécénat(メセナ) 」と言われる企業が文化や芸術を支援するパートナーシップがあり、230万ユーロ(約2憶7700万円)の契約を締結しています。
企業(ルノー)は支援した契約金額の25%相当までを、支援された側(ベルサイユ宮殿)から返礼として受けとる事ができるのですが、
カルロスゴーンは返礼の一部を個人的な披露宴会場の費用に充てている疑いがあります。
贈収賄( ぞうしゅうわい )の疑い
実はこれが一番真っ黒かもしれない。
「元」司法大臣で7区の区長 Rachida Dati (ラシダ・ダティ)、とその弁護士、そして犯罪学者の Alain Bauer ( アラン・バウアー )とのコンサルティング契約について。
上の3名とオランダの子会社「ルノー日産BV」が締結した、コンサルティング契約の取り決めについて「贈収賄」の疑いがあり、 2019年5月に金融検察局が捜査に乗り出してます。
元司法大臣 ラシダ・ダティ 氏については、2010年~2012年の間に 90万ユーロ(約1憶800万円)の謝礼、
犯罪学者の アラン・バウアー 氏については、2012年~2016年の間に100万ユーロ(約1憶2000万円)の謝礼が払われていた問題について。
コンサルティング業務が実証されていないのに、 給与の支払いがあったことで疑惑が深まり、
2019年の4月にルノー株主より告訴され、5月に予備捜査が始まっています。
この告訴された人は、 ラシダ・ダティ 、 アラン・バウアー 、カルロスゴーン、とその妻も含まれています。
カルロスゴーンの使い込み?「13億円」疑惑
2019年6月にルノーの取締役会は、 オランダの子会社「ルノー日産BV」の内部監査で1100万ユーロ (13憶2000万円)の使い込み(不審な支出)が特定されたことが報告されました。
- (移動の)飛行機にかかった不透明な追加費用
- なぜか利益があった寄付金
- ベイルートにあるいくつかの大学への寄付
この13億以外にも、日産・三菱払いのものもあります。
- 高級住宅費用
- 姉に渡していた不正なコンサル費
- 高級店でのお買い物
- 友人の会社を経由して得たヨット
- カンヌフェスティバル滞在中に発生した費用
- 会議に出席するたびに700万ユーロ(日産・三菱BV払い)
- 日産の口座から引き落とした1400万ユーロ
などなどが指摘されていますよ。
オランダの子会社「RNBV」真っ黒な会社は何だ?
フランス側で告訴、または内部監査によって特定された、個人的資金流用・贈収賄・不正な支出について。
何か真っ黒いことがあると、結構な割合でオランダの子会社が絡んできます。
「ルノー日産BV」「日産三菱BV」
オランダの「ルノー日産BV(RNBV)」 の社長はフランス人とレバノン人のハーフ。
カルロスゴーンの息の根がかかっている人かもしれませんね。
カルロスゴーンの今後が気になる
カルロスゴーンの今後は?レバノンでの記者会見など、気になる現在の様子を時系列で「更新中」
逃亡中のカルロスゴーンは世界中を旅できますか?
逃亡中のカルロスゴーンはやろうと思えば、世界中を旅できます。
ただ、日本はもちろんアメリカ・韓国に行くと、日本と犯罪人引渡条約 を結んでいるので、日本への引き渡しが可能になります。
だからこの国にはもちろんいけない。
でもフランスやオランダのような国に行けば、告訴が待っている。
トルコに行っても逃亡劇の為、違法で使用した民間航空会社にも訴えられている。
他のいくつかの国でも、もしかしたら引き渡しされる可能性が高い。
との事で、行く場所がないのかもしれません。
逃走後の今後はどうなるのか?
1月8日の会見が注目されています。
ちなみに、なぜゴーン被告はパスポートを携帯してたの?
そもそもなぜパスポートを携帯していたのか気になって調べていたら
こんなもの見つけました。
↓↓
弘中弁護士「パスポート携帯の経緯を失念」
ゴーン元会長がフランスのパスポートを携帯していたことについて、弁護を担当する弘中惇一郎弁護士は、自分の担当ではないので詳細な経過は分からないとしたうえで、「去年の保釈条件では、弁護士がパスポートを保管することになっていたが、そうなるとパスポートの不携帯で法律違反になってしまうため、裁判所と協議し、鍵付きのパスポートを持つようになったと聞いたことがある。しかし、その経緯を失念していたため、31日には『パスポートは弁護団がすべて保管していた』と説明した。鍵付きのパスポートがどこの国のものだったかなど、正確な情報は把握していない」と説明しています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200102/k10012233951000.html
今回の逃亡で使われたフランスのパスポートは、日本を訪れている外国人同様「 パスポートの携帯義務 」 があるため、鍵付きのケースの中に入れたパスポートをゴーン被告が携帯していたとされていますが、
そもそも日本に3か月以上滞在する外国人には「在留カード」が交付されるため、パスポートの携帯義務はありません。
被告人の疑惑が解けるまで日本国内に勾留する必要がある場合、それ専用の滞在身分証を先に発行しなければいけなかったのでは?
一般の旅行者同様の措置を取るべきではなかったのではと個人的に思ってます。
参考サイト
https://www.lemonde.fr/societe/article/2019/10/23/affaire-carlos-ghosn-le-bureau-et-le-domicile-de-rachida-dati-perquisitionnes_6016655_3224.html
https://www.lavoixdunord.fr/688785/article/2020-01-03/carlos-ghosn-mng-jet-denonce-l-un-de-ses-employes-qui-aurait-falsifie-des
https://www.francetvinfo.fr/economie/automobile/carlos-ghosn/carlos-ghosn-quel-avenir-apres-sa-fuite_3768689.html
https://www.nouvelobs.com/justice/20200102.OBS22981/ces-affaires-judiciaires-qui-menacent-carlos-ghosn-s-il-rentrait-en-france.html