パリ・ノートルダム大聖堂の大火災。1日で7億ユーロ(約880憶円)の寄付があつまる

フランス現地情報
パリ・ノートルダム大聖堂の大火災。1日で7億ユーロ(約880憶円)の寄付があつまる

Vural YavaşによるPixabayからの画像



ゴシック建築の最高傑作。

古くはナポレオンの戴冠式が行われ、

シャルル・ド・ゴール、ジョージ・ポンピドゥー、フランソワ・ミッテラン大統領の国葬が行われた大聖堂。

フランスの魂といっても過言ではない「ノートルダム大聖堂」で、2019年4月15日 18時50分、大規模な火災が発生しました。

フランスを誇る歴史的建造物が炎に包まれている映像をニュースで見た時の衝撃…

とても信じられない光景で、

相当なショックを受け、

フランスは悲嘆にくれています…

パリ・ノートルダム大聖堂の大火災

4月15日 21時前のノートルダム。炎に包まれています。




出火した屋根の高さは、地上45m・尖塔の高さは96m、その上パリの中心部。

400人の消防士が消火活動に参加しましたが、介入は非常に困難でした。




4月16日、上空から見たノートルダム

この大火災により屋根が崩落 、尖塔が焼失してしまいました。



4月16日夜、サン・ミッシェル広場前で祈りを捧げるパリ市民


周辺のセーヌ川・歴史的建造物とともにユネスコの文化財に登録されているノートルダム大聖堂。

2013年には850周年のセレモニーも行われ、

中世建築を代表する、フランスが誇る建造物ですが、

大聖堂の内部にも、何世紀も前から貯蔵されている貴重な文化財や美術品が収められていました。

火災発見後、即座に保護された文化財・美術品の一部はパリ市庁舎に。



そしてノートルダム大聖堂といえばパイプオルガンです。

オルガニストによれば、オルガンも無事保護されたようですが、状態は非常に悪いとの事。


なぜ火災が発生したのか?

改修工事中だった為、この工事が原因の何かしらのアクシデントかとの見方もありますが、

関係者の聞き取りが行われている最中で、 まだはっきりしたことは分かっていません



以前、改修工事の資金集めパフォーマンスを行っていた、フランス版スパイダーマン。

(2019年3月26日 )

当時( 火災前)、発表されていた改修工事に必要な費用は、 1憶5千万ユーロ(約190憶円)でした…



この大規模な火災による大きすぎるダメージ。

3Dの最新の技術を屈指したとしても、以前の姿のようになるまで何年かかるのでしょうか…


ちなみにノートルダム大聖堂は、起工から170年の歳月をかけて築き上げられた建物です。

20~30年、50年、5年?など…

専門家の意見や大統領の意気込みなど、見通しの期間にバラツキが多く、

どのような修復手段がとられるのかもまた、大きな課題です。

フランス経済界、重鎮から援助の申し出

この悲惨な出来事に、フランス経済界から多くの援助の申し出が殺到しています。


LVMH (モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン ) CEO アルノー氏。

ノートルダム大聖堂の修復費用に2億ユーロ(約253億円)を寄付と発表


フランス経済界や団体からの寄付の合計は、1日で7憶ユーロ(約880憶)を超えているそう。

  • L’Oréal (ロレアル)、ベタンクール家、2憶ユーロ( 約253億円 )
  • Keringグループ、ピノー家、1億ユーロ(約126憶円)
  • TOTALグループ、 1億ユーロ(約126憶円)
  • JCDecaux 、2千万ユーロ(約25憶円)


など多数。

寄付の金額の60パーセントが減税の対象になる見通しでかもしれませんが、

素早い対応に、フランス人の心が熱くなります。


元の姿に戻るまで、どれくらいの期間がかかるのか見当もつきませんが、

予算上の心配はなくなりそうな予感がします。




明日4月17日(水) 18時50分、フランス中の教会の鐘が一斉に鳴り響きます。