フランスにたどり着いた時、
フランス語をまったく話さないのに、フランスに住む事を決意。
フランスに着いてすぐは「アン」「ドゥ―」「トロワ」と「シルブプレ」「デジャブ」この5単語だけしか知らなかったけど、
なぜか「すぐに話せるようになる! 」とかなり強気でした。
当時はなぜ、あんなにも自信満々だったのか、
自分でも分かりませんが、フランス語の基礎で引っかかったのは確かです。
しっかり学べないフランス語の文法
フランス語が難しいと言われる理由は、文法にあり。
手元に1冊の本があるのですが、
フランス語検定3級レベルのフラ語本の1ページ目には、「冠詞」の説明があります。
冠詞はフランス語の基礎です。
当時この1ページを見ただけでも、
「何を言ってるのかわからない… 」
と、本を閉じてしまった記憶がありますが、
当時はなぜ、冠詞が必要なのか分からなかったので、理解ができなかったのです。
でも、
「何がそんなに難しいの? 」
「 1年くらい住めば話せるようになるよね? 」
「まだ話せないの?」
と言われていたフランス在住1年目。
難しいと言われるフランス語と日本語の違い、 沢山ありすぎて何を紹介するべきなのか迷いますが、
自分の中で究極に苦労しているところを簡単にまとめてみました。
ここが変だよ!フランス語 文法
まずなんでそんなんが必要なの?
と思ったフランス語の理解できないところを簡単に説明します。
すべての名詞には、男性か女性系の冠詞が付いている
単語を覚えるだけでも大変なのに、それぞれの名詞の前には冠詞と呼ばれるものがセットでついてきます。
冠詞は男性系・女性系とあるので、名詞と一緒にどっちの冠詞なのか?
全て覚えとかなければいけません。
例えばパン屋さんに行って、パンを一つ注文したい時はどうするんでしょう。
実はパンにつく冠詞は、すべて同じでなく、
種類ごとに男性か女性かの冠詞が別れます。
- Une baguette(フランスパン)
- Un pain complet ( 全粒小麦パン )
- Un croissant (クロワッサン)
- Un sandwich (サンドイッチ)
パンの名前の前に、Un(男性冠詞)・ Une(女性冠詞)を付けて注文します。
パンだけに限らず、すべての名詞に冠詞はついています。
- Une table(テーブル)
- Une chaise(椅子)
- Un stylo(ペン)
- Une valise(スーツケース)
- Un chein(犬)
そして、国にも冠詞は決められています。
ちなみに日本は男性で、フランスは女性です。
冠詞は、ありとあらゆる名詞に付属しているので、セットで覚える必要があります。
冠詞には3パターンある
そして、この冠詞を覚えるだけでも大変なのに、冠詞には3タイプあります。
- 不定冠詞(un,une,des)
- 部分冠詞(du,de l’,de la)
- 定冠詞(le,la,l’,les)
不定冠詞や部分冠詞は、一般的な話をするときに使います。
英語でいうと a,anの様に、まだどれなのか限定されていない、ザックリした話をするときに使います。
ですがフランス語の違うところは、 不定冠詞と部分冠詞の2つがあることです。
一応私流で言えば、
- 不定冠詞(数えられる)
- 部分冠詞(数えられない)
数えられるか?数えられないか?で使い分けると、何も考えずに早く口に出して言えます。
例えば、「 バック 」も「 風 」も男性冠詞ですが、下の例文であれば、
不定冠詞「un」 バックを(一つ)さがしています。Je cherche un sac.
部分冠詞「du」 風がある(吹いてる)ね~。Il y a du vent.
と不定冠詞と部分冠詞を使い分けます。
風は数えられないですよね。
実は前にくる動詞によってde+ le=【du】と変形する パターンもありますが、これ以上説明すると混乱するので、ここで端折ります。
そして最後に定冠詞とは、共通認識の話をする時です。
英語で言うとtheです。
- 定冠詞(何について話しているか、お互いが認識している)
定冠詞「le」 太陽。Le soleil
定冠詞「la」 クロエのママ。La maman de Chloé
もちろん話している時に男性冠詞だったか女性冠詞だったか、とっさに言えない事が多々あります。
男性・女性冠詞をつけてどうするのか、
付けなくても会話が成立するんではないか、
そもそも誰が考え出したの?
と思うのだけれど、フランス語にはこれが重要らしいです。
時制が複雑
そしてフランス語でもっとも複雑なのは時制です。
食べる、
動詞の原形は「manger」
この動詞の活用が複雑になります。
「 je mange 」食べてる
「 j’ai mangé」食べた(食べ終わった)
「 je mangeais」食べてた
「 j’avais mangé」(その時)食べてたよ
「 je vais manger」食べる(すぐ後で)
「 je mangerai」食べる(後で、いつか)
「 j’aurai mangé」食べてるだろうね(将来、確信はない)
「(デザートがあると知っていたら ) , j’aurais mangé」食べたかった…
「il faut que je mange」食べなきゃ…
大体会話上で使うのはこんなところですが、これ以上は覚えられません。
本当はこれ以外にも時制があるのですが、実際のところ使いこなせていません。
どんだけ複雑なのかは、 動詞の活用が一覧で見れる ここで確認できます。
▼「manger」動詞の活用
動詞の活用には形が合って、グループによって活用がかわるのですが、
(1er groupe ・ 2er groupe ・ 3er groupe )
もちろんイレギュラーも多く存在します。
動詞の活用だけでなく、フランス語は文法を決めていながら、イレギュラーだらけ。
フランス人もあまり使わない動詞の活用は知らなかったりするので、上で紹介したリンク「 「manger」動詞の活用 」は、大いに役にたちます。
動詞がすべて「-er」で終わってくれたらどんなに楽か、
なぜこんなに時制を細かく決めているのか?
なんで活用したらアクセントの位置までかわるのか?
どうしてイレギュラーだらけで、シンプルにいけないのか?
結構思うことがあるのですが、これがフランス語らしいです。
時制が人称によって変わる
時制が複雑で覚えるのが大変なのに、その上にもっとひどいのは、人称によってさらに活用形が変化します。
- Je(私)
- Tu(あなた)
- Il/Elle/On(彼 / 彼女 / 我ら)
- Nous(私たち)
- Vous(あなた達)
- Ils/Elles(彼ら / 彼女ら)
▼人称によって動詞の活用形が変わるよ(食べるの現在形 )
- je mange
- tu manges
- il mange
- nous mangeons
- vous mangez
- ils mangent
人称に関して言えば、
なぜ人称ごとに活用形を変えてしまったのか?
どうして「食べる」のように、主語に関わらず動詞の活用を一本化してくれなかったのか?
という事よりも
なぜ「you(あなた)」のように、主語をシンプルにしなかったのか…
なぜ【あなた】を2パターンに分けたのか?
「tu(親しいあなた)」「vous(その他のあなた、知らない人・尊敬・etc…)」
動詞の活用以前に、微妙な距離感にある人は「tu」を使うべきなのか、「vous」を使えばいいのか?
どっちを使えばいいのか、今でも悩んでいます。
フランス語の数字の数え方もひねくれている
そしてフランス語と言えば、数字にもフランス哲学が現れています。
- 1~10
- 11~20
- 21~30
- 31~40
- 41~50
- 51~60
- 61~69
ここまでの数え方は、普通です。
日本の小学1年生にあたる「CP」での授業では、69まで習うことが多いです。
でも、
70になったとたん、フランス哲学が炸裂します。
フランスでの70の数え方は、
70と言わず【60+10】と表現します。
71であれば【60+11】となります。
そして80番台、
ここは【4×20】と表現します。
なので81と言いたい時は【4×20+1】と表現します。
クライマックスの90番台は【 4×20+10】
91であれば【 4×20+11 】と表現します。
99まで言い切ったあとの100は、結構スッキリするのですが、
フランス語を0から学んでいる人たちは、結構な割合でここでもイライラしています。
ちなみにお隣の国スイスでもフランス語を話してますが、
数字の数え方はもっとシンプルで、
70= septante
80= huitante
90= nonante
と単語で表現しています。
なんでもっとシンプルにできないのか?
スイスの数え方と、フランスでの数え方、その分かれ道はなんだったのか?
ちょっと気になるところです。
まとめ
フランス語文法は、イレギュラーも多いし、
結構みなさん苦労します。
大学でうっかりフランス語をとってしまって、後悔している人も多いんではないでしょうか?
難しいと言われるフランス語文法。
沢山ありすぎて何を紹介するべきなのか迷いましたが、
入口付近だけでも、かなり切羽詰まります。
今回は、自分の中で究極に苦労しているところを簡単にまとめてみましたが、長くなりそうなのでいったんここで終わりにします。