(アイキャッチ画像 Free-PhotosによるPixabayからの画像)
アパートの一室から、一軒家丸ごとまで。空き物件を短期間から貸し出せる「民泊」をアピールしてきたAirbnb。世界で最も観光客数が多い「フランス」では、Airbnbを活用するオーナーが非常に多くいました。
2008年にAirbnbが登場して以来、爆発的なスピードで世界中に普及した「Airbnb」ですが、コロナの影響で観光客が消えた年、今まで順調だった民泊経営(Airbnb)も窮地に追い込まれ、不動産業界に新たな動きがでています。
世界一観光客が多かったフランスのAirbnb物件の行方
2019年にAirbnbが公開した賃貸物件の統計では、パリだけで「65000件」のアパート(部屋貸し含む)が民泊として提供されていて、そのうち4100件は年間120泊以上、この4100件のうち1040件は年間255日以上の予約を受けた物件でした。
多いのか少ないのかよくわからない統計ですが、2021年1月時点、パリで生き残っているホテルは1611件なので、2019年にAirbnbのプラットフォーム上で確認できた65000件という数字がどんだけホテル業界に威嚇になっていたのか、ホテル件数と比較すると秒速で理解する事ができます。
フランス不動産業界に新たな動き
新型コロナウイルスが世界に拡大してから約1年。今まで観光客で溢れていたフランスの観光地はめっきりと人が減りガラガラの状態です。
コロナの影響で外国人観光客が激減した今、持ち物件を賃貸市場に戻したいオーナーがフランスでは増えていて新たな現象が起こっています。
▼例えば、下ページの動画に映っているアパート(動画20秒辺り~)。このアパートはAirbnbで数年間貸し出されていた後に、40㎡/561000ユーロ(約7300万円)で売りに出されたケース。このアパートのオーナーはローン返済が不可能になり売却した。
販売価格や賃貸価格を下げて市場に戻ってくるアパート
動画で紹介されていたオーナーのように、長期化するコロナの影響で、返済できる見込みが無くなり売却、もしくは賃貸を検討するケースが増えています。
先ほどのリンク先の記事には【賃貸サイトの調査によると、質問を受けたオーナーの73%は、従来の賃貸市場に戻したい】と締めくくられてましたが、
Airbnbから「相当数の物件」が賃貸市場に流れ込んでいるので、不動産業者がアパートオーナーを説得して価格の値下げ交渉をするなど「今までになかった現象」が表れるほどになりました。
というのも、フランスの大都市ではずっと右肩上がりで不動産価格が上昇していたので、不動産業者は値下げ交渉をする必要が今まで無かったのです。
※例えばパリの場合、2000年は2,740ユーロ(1㎡)ほどだった不動産価格が、2020年になると10,000ユーロ代までに上昇する爆発的な不動産バブルが起こった。
不動産ローンの延期切れも影響か?
Airbnbの賃貸収入をローン返済に充てていたオーナーも多く、自転車操業がコロナウィルスに躓いて傾いてしまったのですが、一般的にフランスではローン返済が困難になった時に「支払い延期」を申し出る事が可能です。(※銀行やローンの契約によっても対応が異なる)
しかし当初は「支払い延期」を同意していた銀行も、それが今では複雑になり、延期が難しくなってしまった…
それ故にコロナが世界中に蔓延したちょっと後、支払い延期が終了するタイミングで売却された今回のようなケースが目立ってきそうです。
Airbnbのオーナーだけに限らず、コロナの影響で収入が激減してしまった人も多く、ローン返済が苦しくなる人達もいるし、元々、フランスの大都市は不動産バブルで不動産価格が爆上がり過ぎていたので、今後は不動産価格の下落が予想されています。
▼特に爆発的にバブルが起こった大都市では、今後2年間で不動産価格が20%下落すると予想されています。
おわりに
コロナがここまで長期化するとは予想していなかったとしても、2021年3月時点のフランスでは、1日の新規感染者が2万人以上の日が続いて、国境は閉じたまま。以前のように自由に国を移動できる日は何時になるのか分かりません。
コロナの影響で都市部を離れる人たちも多かったのですが、それでも不動産価格は下落せず粘りをみせてましたが、もうそろそろ…値上がり過ぎた不動産価格が下落する時がやってくるかもしれません。
▼ちなみに2020年1~3月のパリのアパート、㎡あたりのお値段は10279ユーロ(約133万円)でした。
▼「世界で最も観光客数が多い国ランキング」