ドローン宅配便の実用化なるか?
世界中の大企業が「ドローン宅配便」の事業化を目指したテストを行っていますが、
アフリカのいくつかの国では、既に実用化されていて血液や医療用品の配送に役立っています。
しかし人が密集している大都会でフル活用されるまでには、まだまだ時間がかかりそうな「ドローン宅配便」について。
フランスではどうなっているのか?
フランスで行われるドローンを使ったテストについて紹介しますよ。
「ドローンで配達できるか?」 エアバスがEC物流の巨大拠点地でテスト
「エアバス・ディフェンス・アンド・スペース」が、Survey Copter製の無人飛行機「ドローン」 を使って、近い将来に配達が可能になるのか?テストを行ってますよ。
テスト地となっている場所は、
フランスの北、オー・ド・フランスに位置するカンブレ( Cambrai )です。
じつはこのカンブレは、ヨーロッパ最大級となるEC物流の巨大拠点地になる予定で、
「大規模物流施設」が建設中です。
約3憶ユーロ(360憶)の巨額な費用がかかると言われるこのプロジェクト。
ホテル・レストラン・撮影スタジオ・オフィス・コールセンター・託児所、包装・修理・燃料などの下請け業者や、講堂・展示場も完備します。
一応、2021年に稼働を目指すしているそうなんですが、本当に2年後に完成するかとても怪しいです。
予定では、2021年に最初の入居企業がこの物流施設を利用する予定で、
各社がドローンでの配達を自社商品でテストできるようになるのだとか。
ただ何時、ドローンで配達が実用化ができるようになるのか?
という問いには、
現在のところ○○年までにできる!と正確には断言できないが、
「3~4年以内には、かなり具体的な事が行えるようになる 」
と、プロジェクト主のCEO(BT IMMO GROUP ) が語っています。
5キロの荷物なら6~7時間くらい継続して運べる
既に幾度かテストが重ねられていますが、
現段階でドローンが出来る事、それは、
5キロの荷物を保持したままで、6~7時間継続して飛行ができます。
ただドローンといっても、翼の全幅が3.3メートルの無人飛行機(UAV)で、意外と大きいです。
小型の飛行機なので、高度3000メートル・50キロを飛ぶことができますよ。
ドローンでの配達、飛行許可も最大の課題になる
ちなみにこういったドローンの飛行テスト、フランスでは証明書や飛行許可が必要になります。
こどものおもちゃ程度のものであれば、規制対象ではないですが、
こういったエンジン付きドローンの飛行テストは、許可が必要です。
パリのようにどこに行っても人がいる場所では、こういったテストはできないんですが、
今回のエアバスが行ったテスト地、 カンブレがあるオー・ド・フランスは、
河川や鉄道が走るレールの上がそのまま飛行ルートとして利用でき、
人が少ないところを選んでテストできたので、とても最適な土地だったようです。
ちなみに今回の飛行テストは、2019年の6月にオー・ド・フランス県に許可を得て実現したものです。
実際にドローンでの配達が利用可能になるか?
これからの最大の課題は、証明や飛行許可が必要な事。
ドローンの技術的な問題はもちろん、
何度かテストを繰り返して実用可能になった場合、
事業として利用するドローン飛行は、本当に許可が下りるのか?
こういった課題もクリアしなければいけません。
許可が無ければ、実用化はできないですが、この許可をもらうまでの道のりも、フランスだけに遠く感じます。
ちなみに、カンブレに出来るヨーロッパ最大規模の物流施設は、半径300キロが対象地となるので、
フランスのパリはもちろん、
ベルギーのブリュッセル、
ドイツのケルンまで、流通の範囲が広がります。
なのでこの半径300キロの範囲に住む7,800万人の消費者に影響する、とてつもない巨大な物流施設になる予定です。
▼ちなみにエアバスは、超学歴社会&就職活動が難航するフランスで、工学を専攻しているエリートの卵(大学生) が選んだ、フランスの就職企業人気ランキングで一番人気の会社です。
【参考サイト】https://www.bfmtv.com/economie/airbus-teste-la-livraison-par-drone-sur-un-futur-site-d-e-commerce-deshauts-de-france-1802292.html