長距離フライト、眠れないので目的地に着くころには疲れているんですが、
乗継便を利用するよりも直行便の方が断然楽です。
眠れなくとも、ただ乗っているだけだし、
乗換の心配もなく、待ち時間もないので、目的地に早く着くことができますよね。
ただ直行便といっても超長距離の場合、必ず経由地が存在します。
その場合、最低でも一度の乗り継ぎが必要ですが、
もし直行便があれば、サクッと目的地まで行きたいのが本当の所。
今回は、カンタス航空が行った直行便のテスト飛行について、
【世界最長】飛行時間は19時間16分!ニューヨーク⇒シドニーの長すぎる直行便について
を紹介しますよ!
世界最長記録!飛行時間は「19時間16分」
2019年10月18日、ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港を出発した、オーストラリア大手航空会社の「カンタス航空 QF7879 」、
世界最長飛行時間「19時間16分」を記録して、オーストラリアのシドニー国際空港に到着しましたよ!
「歴史的な瞬間!」
ニッコニコで挨拶する、カンタス航空最高経営責任者 アラン・ジョイスさん。
カンタス航空「直行便」の最長時間を更新
飛行時間「19時間16分」
これは、「直行便 」の世界最長飛行時間の記録を更新した時間です。
Flightradar24によると、ハリーポッターシリーズの8作品(19時間39分)を見る事ができると説明されていました。
ちょっと最後の一作品が見切れるくらいですかね (笑)
飛行距離はなんと16,200㎞!
なかなか距離感がつかめないんですが、
「計算距離」さんによると、
東京 ~ パリ間の距離は、9,980㎞
東京 ~ マドリッドの距離は、10,781㎞
東京 ~ ニューヨークの距離は、10,864㎞
東京 ~ リマ(ペルー)の距離は、15,509㎞
南米のペルーも16,000㎞に届いてません。
なので16,000㎞あれば、余裕で日本から南米まで行ける距離です。
とんでもない長距離だという事がわかります。
ちなみに現在(2019年)、商業運航している最長距離フライトは、シンガポール航空の「ニューヨーク(ニューアーク)⇒シンガポール」で、最大18時45分です。
世界最長のテスト飛行時間の詳細
2019年10月20日に飛行時間が記録された、カンタス航空のフライトは、
実はテスト飛行なので、商業運航はされていません。
このテスト飛行は「ProjectSunrise」と名付けられているんですが、
ずっとFlightradar24 に熱く追跡されていて、詳細もいちいちツイートされていました。
▼ 「 #ProjectSunrise 」「#QF7879 」で詳細を語る、 Flightradar24さん
詳細によると、
- 搭乗した人数は49人で、ほとんどがカンタス航空の従業員
- キャビンに持ち込む重量を削減してる
- 重量を抑えた分、シドニーまでの十分な燃料を入れる事ができる
使用されたボーイング 787-9 機は236座席ですが、実際に搭乗した人数は49人。
人数とキャビンに持ち込んだ重量をかなり抑えているので、その分燃料を最大限に入れる事が出来たようです。
出発時の機体の重さは233トンで、その内101トンが燃料でした。
カンタス航空、長距離直行便の運航に向けて
今回(2019年10月)行われた「ニューヨーク⇒シドニー」のテスト飛行は第1弾で、
第2弾・第3弾のテスト飛行計画がありますよ。
「ニューヨーク⇒シドニー 」だけでなく、「ロンドン⇒シドニー 」 のテスト飛行も計画中です。
カンタス航空では2022年の商業運航を目指す為に、このテスト飛行で様々な実験を行っています。
2022年の運航に向けてテスト飛行で実験中
2022年の運航に向けて、乗客・乗組員双方の観察が行われましたよ。
乗客向け
機内にはオーストラリアの2人の研究者も搭乗。
乗客の睡眠と食事の様子を観察して、メラトニン(睡眠ホルモン)のレベルを観察しました。
離陸後(ニューヨーク時間の21時)からの6時間、明々と照明がついた機内での運動・カフェイン・ピリッとスパイシーな料理を提供。
そして消灯前( 消灯中はスクリーンを見るのを止めるように指示 )に、炭水化物多めの食事を出す。
こうする事で消灯後、眠りへと導くことが出来ます。
そして、この飛行機は朝の7時台にシドニーに到着。
シドニーの現地時間に時計をセットしなおした後、参加者の多くは日没まで目覚めている事が検証され、
たとえ長距離&超長時間のフライトであっても「時差ボケ」の良い対策になっている事がわかります。
▼テスト飛行で運動中の人々
乗組員向け
そして、乗客の時差ボケ対策と同時に必要なのは、パイロットを含む乗組員への配慮です。
長時間のフライトがパイロットやキャビンクルーに与える影響や、
パイロットの休息に必要なパターンを調べる研究を行うものです。
パイロットには脳波を調べるデバイスが、さらに乗組員全員に、飛行前・飛行中・飛行後のメラトニン濃度も測定されました。
まとめ
それにしても19時間16分のフライト、そして直行便。
運航された場合のお値段が幾らになるのかきになります…
お値段によって、直行便にするか、乗継便にするのか?
決める事ができるよになったんだと思います。
ちなみに、
シンガポール航空の「ニューヨーク(ニューアーク)⇒シンガポール」
の往復直行便( 2019年6月23日発 )は、1091ユーロ「約131,300円」
同航空の乗り継ぎ便は、往復で821ユーロ「約98,800円」で意外と安いです。
ただ乗継便の場合、往路で3時間・復路で約5時間、直行便よりも時間がかかってしまいます。
ニューヨークやロンドンからオーストラリアへ直行便で行けるようになった!
航空業界にとってはとても歴史的な瞬間だったので、今回のテスト飛行が将来に大きく影響する事は間違いないです。
まだ先の話になるかもしれませんが、今回の実験結果によっては「日本⇒ブラジル 」のようにもう少し長いフライトも出てくるかもしれません。
最後に実際にこのテストフライトに参加した方の意見では、
乗継便よりも、ニューヨーク⇔シドニーの直行便を選択するとの事だったので、
とても快適な空の旅だったのではと想像しています。
今回の参考サイト :
https://www.flightradar24.com/blog/qantas-to-operate-3-project-sunrise-research-flights/
https://www.francetvinfo.fr/economie/aeronautique/new-york-sydney-le-plus-long-vol-direct-de-l-histoire-a-atterri-apres-plus-de-19-heures-de-vol_3667467.html