【ホストファミリー】留学生の受け入れ、過度のおもてなしは自滅する。

日本すごい

外国人留学生を受け入れるホストファミリー。

海外の若い人が日本文化に興味を持ってくれるなんて大変喜ばしい事で、あれもこれもと沢山の日本文化や日常を体験させてあげたいと思うかもしれません。

特にお子さんがいる家庭や異文化交流を望んている人にとって、ホストファミリー制度を利用し海外からの留学生を受け入れる事は良い経験になると思いますが、日本のおもてなし精神で頑張り過ぎてしまい疲れてしまう…そんなケースもあるようです。

留学生受け入れホストファミリー。大変を乗り切るコツ

海外のホストファミリーはビジネスでやっている人も多いので、食事を別にしたり、契約以外は徹底してサービスを行わない家庭も存在するほどドライな場合があります。

それ故にホストファミリーの当たり外れのふり幅が大きいのですが、中には、度を超えるケチ、ちょっとしたキ○ガイもいるので度々トラブルが起こりやすく、そこには「おもてなしの気持ち」は存在しません。

逆に、日本のホストファミリーが大変・キツイと言われている部分に深く関わっているのは、日本人独特の人の良さ、面倒見の良さ、おもてなし精神など、思い描くホストファミリーの固定観念が強すぎて必要以上に頑張り過ぎている所なのではと思います。

留学生に過度のおもてなしはするべからず

日本のご家庭に行くと、綺麗に整えた清潔なベットと勉強机以外にも、専用のスリッパ、歯ブラシ、専用のお茶碗やお箸などを揃えてくれています。外国人からしてみるとそれだけでウエルカムが伝わってきて十分に嬉しいものですが、それ以上はあれこれと必要なものを揃える必要はありません。

例えば留学生の靴下やパンツにちょっと穴が開いているからと、頼まれてもいないのに買い揃える必要もなければ、旅行に行った際、お土産屋さんに寄って率先して土産物を進める必要もないのです。

週末にレストランに行って「これ食べてみたい?アレも試す?」などいろいろ追加で注文する必要もなく、夕飯は家庭料理が一番よいのです。温泉は是非体験してもらいたい日本の文化だし、季節の行事やお祭りがあればもちろん参加したいですが、週末ごとに無理して観光地に行く必要もありません。

要は自分の家族に接しているように自然体でよいのです。

例えば日本の柔道に興味があり習ってみたいと思うのであれば、地元の柔道クラブに掛け合って参加させてもらうと充実度が高くなります。

一緒に夕飯の買い出しに行き、魚屋さんに魚をさばいてもらったり、たこ焼き買って食べたり、地元の神社でお賽銭を入れお参りをしたり、ラムネや納豆など日本にしかない食べ物を披露したり、一緒に電車に乗ったり…特別な事ではなくても外国人にとってはすべてが鮮明に見えています。

気を使いすぎて最初に飛ばし過ぎると後が持たないので、最初から頑張り過ぎず、まずは日常生活を体験してもらうのが日本を知ってもらえる良い方法なのです。

ホストファミリーが事前に確認したい、お金・出費について

留学生の受け入れホストファミリーが事前に確認しておきたい、お金・出費について。長期滞在であればあるほど確認しておきたいポイントです。

留学生の個人的な支払い・お小遣いの範囲を確認

留学生もまさか小遣いゼロでやってきません。

個人的な支払いに関わるものは留学生のお小遣いから。それ以外はホストファミリー負担と説明している団体を見かけましたが、こういった場合、その個人的な支払いの範囲内とはなんなのか?ツッコんで確認する必要があります。

お金(小遣い)についての話は恥ずかしがらずにどんどんすべきで、大体の事は自分の小遣いで払うように最初に話しておくのが肝心です。

もしもの時の医療費・保険について確認する

ケガや病気など、もしもの対応はどうなっているのか確認をしましょう。病気にかかる予定がなくても罹ってしまうのが人の定めです。保険加入は大事な確認ポイントになるし、その保険の使い方も事前に把握しときましょう。

保険会社が海外拠点で何か大きな事故・ケガ・病気で緊急に行く場合、事前の連絡が必要な場合もあります。ホームスティを斡旋している会社によっては、ホストファミリーが一時費用を立て替えるなど、対応が全く違うので要確認です。

外出・外食など、何でもかんでも負担しない

実は、あまり知られていませんが無償ボランティアの場合、外出費や外食費はホストファミリーが毎回支払うものではありません。極端な話、外出先でレストランに入った時に留学生の分を支払う義務はないのですが、高校生の年齢くらいの子をレストランに連れていき支払えとはなかなか酷い話なので、大体のホストファミリーは支払っているだけなのです。

また、ホストファミリーが常日頃から率先して支払ったり何かを買ってあげるクセをつけてしまうと、留学生の財布の紐も固くなります。一般的に日本に1人でやってくる留学生は、自国での金銭感覚は身についているはずなので、日本人の金銭感覚に合わせて何でもかんでも買ってしまう癖はなくしたいものです。

超短期間のホストファミリーから始めてみる

ホストファミリーの方に留学生の受け入れ期間を尋ねてみると『短期』と答える人がいますが、実は短期じゃなかったりする場合があります。留学生の受け入れ期間、例えば半年は短期ではなく長期です。何故なら、もしもの違和感や辛さが出てしまった場合、この半年間が仇となり長く感じてしまうようになるからです。

最初にホストファミリーとは何ぞや?と試してみるのならば、最初は長期から始めようとせずに超短期の1週間程度から始めてみるのをおすすめします。

有償のホストファミリーを検討する

あえて無償のボランティアを名乗り出る必要はありません。責任感の強い方は我が子並みに留学生のお世話をしますが疲れてしまうのは当然です。ただそこに謝礼金などがあった場合、助かるものは助かります。気持ち的にかなり救われ割り切る事ができるようになるのも事実なので、有償のホストファミリーを検討しましょう。

ルールを決める・手伝いを決める

最後に書きましたがかなり重要な事です。最初のルール決めはとても大事です。

例えば、お風呂の時間。外国の方は朝にシャワーを浴びる習慣があるし、みんなで同じ浴槽のお湯を使う経験をしたことがありません。まさか日本人はお風呂にお湯をため代わりばんこに入浴しているなんて知りません。なので、お風呂に入る時間や最後の人がお風呂掃除をするルールなど決めておかないと拗れの元となってしまいます。

洗濯物を畳んだら各自で部屋に持っていく、食べ終わった食器は流し台に置いておく、大をしたらトイレ掃除など… 

簡単な事でもいいので、家庭のルールがあれば留学生にも適応させてみましょう。

自らハードルを上げて自滅する人はホストファミリーに向かない

実はなぜ留学生のホストファミリーについて色々かいているのかというと、とあるホストファミリーとカナダ人高校生留学生の仲が次第に壊れていく様子を目の当たりにしたからです。

私の友人がそのカナダ人留学生を我が実家に連れてきたとき、彼はとてもシャイで控えめの青年でした。

しかし友人は最初からその留学生を息子と呼び、回転ずしに行けば茶碗蒸しとしじみ汁を勝手にオーダー。ユニクロに行けばパジャマと下着を好みも聞かずに購入して留学生を驚かせていました。その留学生は「ユニクロは高いから買わない」と言っていたにも関わらずです。

彼女の張り切り方とテンションの高さが異常すぎて、私もこれはヤバいと肌で感じましたが、最初っから突っ走っていたので、その一緒にいた僅かな間だけでも『やってあげたい欲』が次々と湧いて出ていたのが見えました。ちなみにこれは留学生が到着してまだ4日目のことです。

その後、よく外食やお出掛けにも行っていたようで、九州の人間なのにユニバーサルスタジオと大阪旅行にも連れて行き、至れり尽くせりしていた所で、カナダ人留学生の心境に変化が出始めました…

友人がおもてなしのハードルを上げ過ぎていたのですが、留学生の男の子が短期間でそのハードルの高さに順応してしまったのです。「日本の外食費は安いよねw」と、お金を出してもらう事と今の留学生活が当たり前のように思い始めていたのでした。

留学生に感謝の心が無くなった事を悟った友人は、ここで財布の紐を〆める荒業にでます。

そして高校生の男子なので沢山食べるのは当たりまえなのですが、家庭料理の質もアップしていた為、息子息子と可愛がっていた留学生を『大食いする牛』と陰で罵るようになり、今までいくらお金を支払ったかなどを私に連絡してくるまでになっていました…

仲は相当拗れていることは察知できたし、残り期間はまだ2か月ほどあったのですが、その留学生は人見知りの為、気になる女の子にさえ冷たい態度をとってしまい、学校生活に順応出来ないで泣いてる姿を見ても、ホストファミリーの私の友人は心を痛める事も無くなっていたのです。

結局は私の友人が最低なだけの話なのですが、最初っから過度のおもてなしを繰り返していくと、それがアタリ前の世の中になってしまうのは当然の事。ハードルを上げ過ぎて自ら自滅していくタイプの人はホストファミリーに向いていません。

留学生受け入れ「無償」ホストファミリー募集に思ふ事

そして最後にこれは完璧な持論ですがホストファミリー募集を無償でお願いしている団体について。

市町村やとある団体が募集しているホストファミリー募集の概要を見ていると『ボランティア』『無償』という文字が目に飛び込んできます。

受け入れ期間は自由に選べるようですが、長期の場合、約1年近くも他所様のお子さんを預かる大変な任務です。

『家族の一員として』『日本にいながら異文化交流』『国際交流』と、ホストファミリーのメリット面を全面的に話し、留学生に着物を着せた写真をサイトにアップしながら、ボランティア無償の募集をしている団体を見ていると『図々しいのでは?』と思ってしまいます。

何故なら、ホストファミリーの任務は留学生を受け入れる前から既に始まっていて、各説明会に参加したり、定期的にオリエンテーションに参加したり、留学生とのマッチングを行ったり、契約を結んだりと、受け入れ準備が大変だからです。

もちろん留学生を迎え入れてからはさらに忙しさが増し、お部屋の提供と3食の準備以外にも、毎日の送迎だったり、お弁当を作ったり、先生との面談だったり、他ホストファミリーとの交流会、休日のお出掛けなど、無償の割には保護者のような役割を求めている団体も多く、金銭面以外にも想像以上にホストファミリーの負担は大きいからです。

もちろんすべてを理解された上で無償ボランティアを長く引き受けていらっしゃる方もいらっしゃいますが、個人的な意見ではボランティアを斡旋している団体がホストファミリーを無償で依頼している事自体が図々しいのではないかなと思っています。

有償=ビジネスと結びつけるのではなく、食費や光熱費などの必要最低限の負担はしてもらった方が良いと考えるからです。僅かな謝礼金が出ているからとさらに頑張り過ぎる方もいるのですが、留学生をお世話している事は有償でもボランティアに変わりないのです。

ボランティアを無償で引き受けていると留学生が長時間シャワーを浴びれば気になりだすのは自然な事。ホストファミリーの大変さを理解しているのならば、もう少し受け入れする側の家族をリスペクトしてくれる団体から留学生を受け入れた方が精神的なプラス面に繋がる事もあります。

おわりに

実は高校生の留学生受け入れはハードルが高く、相手は半分大人で半分子供なので、相手を一人前の大人として扱うべきかどうか迷ってしまう場合などもあるようです。

ホストファミリーを気楽にやっていくコツは、無理に背伸びをしない、頼まれていない事はしない。これくらいの受け入れ姿勢で丁度いいのかもしれません。