【フランス】消防士のカレンダー配りに便乗する詐欺師

【フランス】消防士のカレンダー配りに便乗する詐欺師風習・習慣・行事ごと

フランスでは毎年10月半ばになると消防士さんがカレンダーを配りにやってきます。

私の住んでいる地区では、いつも同じ消防士さんが制服を着て家に来てくれるので「もう今年も終わりますね。」なんて年末の挨拶を2つ3つくらい交わし、子供達に「消防士さんが来たよー!」と叫ぶと、わーっっとやって来て憧れの眼差しで消防士さんを見つめるまでが恒例です。

2020年は残念ながらコロナの影響で自粛をされているけれども、消防士のやり方を真似た詐欺師は自粛してません。

最近の詐欺師の手口はモラルに反している為、しんみりと落ち着いていた心が鬼のように燃え上がります。

年末恒例、フランス消防士のカレンダー

消防士カレンダーはいくつかの国で販売されていて、売り上げを寄付している事が多いのですが、その中でも毎年話題になるのはオーストラリアの消防士チャリティカレンダーではないでしょうか。

▼【大人気!】毎年恒例、セクシーなオーストラリアの消防士カレンダー。

カレンダーの売り上げは、病気や火傷を負った子供達を支援する為、様々な慈善団体に寄付をされているのですが、2020年の売り上げの一部は、オーストラリア大規模森林火災で火傷を負った野生動物の治療にも充てられるようです。

ちなみにフランスのカレンダーは、映画「バックドラフト」のような仕上がりになっていたり、セクシー路線だったりと各自治体によってデザインが変わりますが、一般的には「月めくりカレンダー」になっていて市販されているもの以上の出来栄えです。

我が自治体の消防カレンダーの場合、消防士が消火活動をしている「バックドラフト風+塗り絵」がセットになっています。


▼フランスのカレンダーは各自治体で違うけど大体は「バックドラフト仕上げ」


カレンダーの中を見ると消火活動中の消防士さんや燃えている家などが登場するのですが、『自分の家が燃えている写真がカレンダーに使用されていた』という都市伝説は有名で、フランスに住んでいると一度は耳にする冗談です。

消防車のカレンダー配り集金法を真似る団体

そしてこの消防士さんから渡されるカレンダーなのですが任意で購入する事ができます。(カレンダーの価値は5ユーロと言われている)

最高額はいくらでも構わないのですが、我が家の場合は10ユーロと平均的な値段を渡しています。

地域の消防署に所属している人の中にはボランティアの方もいて、わずかな手当で地域の活動に参加している方もいます。そういった方が長年勤められた時に功労賞のような形でお金で渡す場合もあれば、遺族の為であったり、福利厚生費用としても充てられます。

なので年末の消防車のカレンダー配りでお金を渡す人がほとんどなんですが、

何故か郵便局までもがカレンダーを作り寄付を頼んできたり、ゴミ収集車で毎週各家庭にゴミを集めに来る人たちもカレンダーを持ってきて寄付を募りにやってきます。

消防士のカレンダー配りに便乗するフランスの詐欺師

消防士さんがカレンダーを持ってお家に来れば、年末が近づいてきたな… と哀愁漂ってしまいますが、ここで用心したいのは詐欺師の存在です。

『年末の消防士カレンダー配り集金法』を真似るのは、郵便局やごみ収集の人だけでなく、存在しない団体を装って詐欺師までもが個人宅にやってきます。


▼消防士のカレンダー配りが自粛されているニュースを見て「1週間前に消防士来たんだけど」とツイートする人。

カレンダー配りに便乗するフランスの詐欺師の特徴

詐欺とバレてはいますが、詐欺師は大胆にも玄関のチャイムを鳴らし各家庭を訪問します。カレンダーを手に持っていたり、人道支援活動をやっているので活動資金の為にお金か小切手を要求しますが、詐欺師の中には80歳くらいの高齢の人も混じっています。

詐欺師かどうかの大きな見分け方や特徴について、自分なりの判断材料をまとめました。

ボランティア活動をしている人の人相ではない

年末になると自宅にまで突撃しにくる単純な詐欺師の人相は、ボランティア活動をされている方の人相と大きくかけ離れているので、幸いにも直ぐに判断する事ができてます。

人の行いや思考は顔つきに出るとはよく言ったものですが、プロ級の詐欺師になると素敵な外見をしている場合が多く若い人でも騙されやすいのですが、このカレンダーを持って集金に来たり、アソシエーションを装って寄付を募る詐欺師は下級グループに属しているので顔に出過ぎています。

事前にお知らせをした担当者ではない人が来る

フランスでは年末のカレンダー詐欺が横行しているので、カレンダーを配る担当者を事前に顔写真入りでお知らせする場合があります。なので大体の人の顔を把握しているのですが、事前にもらった顔写真ではない人がやってくる場合もあり、もちろんその人は詐欺師なので注意です。

カレンダーをコピー用紙で作っている

詐欺師は個人でやってくる場合がほとんどで、消防士のように月めくりカレンダーを準備する事ができません。

市販されている安いカレンダーを持参する場合もあれば、コピー機で自作している場合もあります。

自分が経験した中で一番酷い詐欺師は、はがきサイズのコピー用紙でカレンダーを作り、ドアをノックした後、無言で手を差し出してきたアフリカ系の人です。

確かにゴミ収集の人はショボめのカレンダーを持ってきますが会社名が入っているので、そういったところも見分けるポイントになるかもしれません。

持ち場・街を間違えている

一度、3人できた珍しい詐欺師がいました。その人たちは首から社員証のようなものをかけていて案外身なりが綺麗だったのですが「街のゴミ捨て場の管理会社です。」とカレンダーを持参していました。

しかしそのゴミ捨て場を管理しているのはゴミ収集をしている人達が毎年カレンダーを配りにやってくるし、管理してる割には私が住んでいる街の名前でなく隣町の事を言っていて、街の境界線を知らず管轄を間違えてずっと話しているのでおかしいなという事に気付き、難を逃れました。

偽物のアソシエーションの認可証をずっとチラつかせる

偽物のアソシエーションを名乗った詐欺師に共通して言える事は、偽の認可証のようなものをスタンバイした状態でピンポンしている事です。

詐欺師はアソシエーション(非営利団体)を装っているので、アソシエーションの認可番号をチラつかせるのが定番になりつつある中、そもそも人道支援を行っているアソシエーションは寄付を募りに個人宅までやってこないので100%詐欺と断言できるので要注意です。

一番許せない詐欺師は「車いすに乗っている方を支援している団体です。」とやって来て偽認可証と共に、車いすに乗った女性の方と一緒に映った写真も添えてアピールしていました。

おわりに

アパートに住んでいた時よりも家の方が凸しやすいらしく、一年に何度も勧誘・営業・詐欺師が色んな事を言いながらやってきますが、一人暮らしのお年寄りの方は騙されているかもしれません。

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